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クソゲー『いっき』のメーカーが大変身? ファミコン後期のサン電子がスゴい!

マグミクス / 2022年4月27日 18時10分

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■サン電子 ファミコン前期編:クソゲーの語源『いっき』の汚名を被る…

 つまらないゲームやできの悪いゲームをやや口汚い形で酷評する際に使用される「クソゲー」という言葉、この語源となったソフトをご存じでしょうか。すべては1985年にファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)向けにサン電子が発売した史上初の農民一揆ゲーム『いっき』から始まりました。

 元々アーケードゲームだった作品をファミコンに移植した形となりますが、移植にあたり、当時のハード制約もあって、大幅に内容が割愛され、操作性も悪化。特にボリューム面の削減は著しく、10分程度で全4面をクリアできてしまいます。原作から存在した「バカゲー」要素である「一揆なのに農民がひとり」という点も相まって、本作はイラストレーターのみうらじゅん氏により、「クソゲー」と呼称されたのでした。

 しかし、このファミコン版『いっき』は当時のファミコンバブルを背景にヒットし、約80万本の売上を記録しています。多くのユーザーがプレイした『いっき』が上記のようなできであったことで、発売元のサン電子も汚名を被ってしまいます。その後に発売された『アトランチスの謎』『東海道五十三次』といった作品もかなり癖が強い内容(筆者は大好きですが)であったこともあり、サン電子は人によってはあまり印象の良くないメーカーになってしまったのでした。

 ファミコンなのに音声合成で長ゼリフを喋ってくれる『水戸黄門』も当時の技術的にはすごいことを行っているのですが、広大すぎるマップとシビアすぎる時間制限が釣り合っておらず、コミカルなパッケージに反して難易度の高いソフトでした。ファミコン前期のサン電子のソフトの多くは「ゲームバランスが不安定」であり、万人受けするかと問われると疑問符が付く内容でした。

■サン電子ファミコン後期編:ハードの限界を超える技術力で良作連発!

 しかし、その後のサン電子はファミコン前期の「不安定」な印象とは大きく異なるメーカーへと変貌します。転機となったのはセガの『ファンタジーゾーン』のファミコン移植でしょうか。アーケードゲームと家庭用ゲーム機の性能差が激しく、移植に対してはある程度妥協しなければならない時代、本作のファミコン移植は高い再現性を持つ良質な移植でした。競合ハードのセガマークIIIでセガ自身が出したバージョンを上回ると言われたぐらいです。後に同じセガの『アフターバーナー』もサン電子がファミコン移植を担当しました。スペック差から無茶な移植かと思いきや、ゲーム性や演出は原作を踏襲しており、「ファミコンとは思えない」再現性。こちらもセガマークIII版より高い評価を得ています。

「映画原作ゲー」でも、サン電子は確かな手腕を見せています。『バットマン』は、原作映画のダークな雰囲気を再現し、なおかつゲームとしても面白い良質なアクションゲームです。難易度は高いのですが、プレイするうちに上達が実感できる内容となっており、「不安定」な印象は受けません。グラフィックも描き込まれ、タイトル画面のドット絵は「ファミコンとは思えない」美しさ。プレイに爽快感が増すノリの良いBGMも魅力です。

『バットマン』に限らず、後期のサン電子のゲームのBGMは素晴らしいクオリティで知られています。『ラフワールド』は、拡張音源を使用せずに「ファミコンとは思えない」重厚なBGMを鳴らしており、サウンド面での技術力にも驚きます。

「ファミコンとは思えない」技術力を次々と見せつけてくる後期のサン電子ですが、なかでも特に技術面で秀逸だと言われているのが、『ギミック!』『バトルフォーミュラ』の2本です。『ギミック!』に至っては拡張チップを搭載しており、文字通り「限界突破」しています。それまでつちかったサン電子の底力を惜しげもなく投入しているこちらの2作は、マニアの間で伝説となっており、ファミコン屈指の入手困難かつ高額なソフトとなっています。

 実機の入手は難しいかもしれませんが、今はNintendo OnlineやプロジェクトEGGなどのゲーム配信でプレイできる作品も多いです。「『いっき』のメーカー」から驚きの変貌を見せたファミコン後期のサン電子。機会があれば、その「ファミコン超え」の技術力を体感してみてはいかがでしょうか。


※本文を一部修正しました(4月27日19時46分)

(Nuruhachi)

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