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『ゴールデンカムイ』のキャラは各分野のプロだらけ!変態・バカでもここぞで大活躍

マグミクス / 2022年5月20日 19時10分

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■アシリパさんの狩猟グルメは驚きだらけ

 約8年に渡る連載が完結しても、まだまだ注目を集めるマンガ『ゴールデンカムイ』。人気の理由には、キャラの濃すぎる登場人物たち、緊迫のストーリー、絶妙なギャグシーン、なぜかムンムンな男の色気などさまざまありますが……登場人物たちがみんな、「何かしらのプロフェッショナル」というのも大きな魅力ではないでしょうか?一芸に秀でた人が見せる技は美しいものです。今回は、そんな彼らのプロぶりを振り返ります。

●アシリパさんは狩猟グルメのプロ!

 アイヌの少女アシリパ(リは小文字)は、父・ウイルクから狩猟やサバイバル技術を教え込まれたため、野性動物たちに立ち向かい、大自然で生き抜く術に長けています。なかでも、食にどん欲なアシリパの獲物の食べ方はまさにプロフェッショナル。どの動物をどう食べればおいしいかを熟知しており、『ゴールデンカムイ』の狩猟グルメ部門を一手に担っています。

 たとえばリスやイセボ(ウサギ)のような小動物は、皮を剥いて骨ごとミンチ状に叩く、「チタタプ(プは小文字)」という料理にしますが、その手際はお見事!皮などは、切れ目を入れたら服を脱がすようにつるんと剥いてしまいます。チタタプはアイヌの伝統では本来、生で食べるものだそうですが、相棒である杉元のために、食べやすいオハウ(汁物)にしてくれるという臨機応変なシェフぶりも披露。さらにカワウソの場合は皮下の脂がおいしいので、肉の方に脂を残すように皮を剥ぐのがポイントで、これも熟練の技で処理しています。ちなみに好物は、塩をかけた生の脳みそだそうです。杉元も白石も尾形も、脳みそで餌づけされました。

 もちろんアシリパは小動物だけではなく、大物も果敢に攻めます。翼を広げると2メートル半にもなるオオワシを、「おらあーーっ」のかけ声で組み伏せ、首の骨を折って仕留めたら、足まで煮て食べました。また、自分の身体より大きいトッカリ(アザラシ)は、棍棒で殴り殺して鮮やかな手つきでさばき、内臓ごと煮込み料理に。

 ところでアシリパは、肉の味を倍増させるというプクサキナ(ニリンソウ)を乾物にして常に携行しているのですが、アザラシ料理を作る時、使い切っていたことに気づくとこの世の終わりのように落ち込んでいました。いかに食にどん欲かが分かるエピソードです。

 他にもウミガメのオハウ、鹿の生の肝臓、シマフクロウの生の心臓、シマフクロウの気管と舌と脳みそのチタタプなどなど……アシリパが振る舞う狩猟グルメはページをめくる楽しみとなっていました。

■家永の意外な活躍で杉元が生存!

人心掌握のプロ・鶴見中尉が表紙の『ゴールデンカムイ』DVD2巻(NBCユニバーサル)

●脱獄のプロ!白石由竹

 おちゃらけ担当で、普段は杉元やアシリパから「役立たず」呼ばわりされている白石も、脱獄に関しては右に出る者のいない「脱獄王」です。もともと、自在に関節を外すことができ、頭さえ通ればどこでも抜けられるという特異体質だった白石ですが、さらに脱獄テクを磨いた背景には、ある執念がありました。囚人仲間の熊岸長庵(彼も贋作・偽札作りのプロです)に絵を描いてもらったシスター宮沢に、恋をしてしまったのです。シスターは全国の監獄で奉仕活動をしていると知り、ひと目会いたいと焦がれた白石は、様々な監獄に入れられては脱獄を繰り返しました。

 身体の内外にカミソリ、弾丸、クギなどの脱走道具を隠し持ち、脱獄のためならハンガーストライキのふりをして痩せることもなんのその、便所の穴から抜け出す(つまり汚物まみれになる)ことも厭いません。どんな監獄でも抜け出すことから、いつしか「脱獄王」の異名をとるまでになったのです(そして全国の看守に顔を覚えられました)。

 脱獄を繰り返したことで、監獄の構造上のポイント、監視体制や看守の心理なども熟知している白石は、網走監獄侵入大作戦を立案し、杉元に「シライシ…やっぱすげえや 脱帽だ」とまで言わせました。役立たず返上の瞬間です。その後もバカ、戦力外扱いされながらも、端々で優秀で優しい気づかいもできる男であることが描かれていました。

●革(皮)加工のプロ!江渡貝弥作

 作品中の変態度では、間違いなくトップクラスの剥製職人・江渡貝弥作。なにしろ、実の母も含む人間の剥製と暮らして会話していたり、人間の皮を使った超絶的センスの衣装を作っていたりと、江渡貝くんパートは読むたびに頭がクラクラしてしまいます。

 そんな江度貝くんも、剥製と革加工に関する腕は超一流。剥製はアメリカやヨーロッパから注文を受けるほどで、革加工については、鶴見中尉が身につけていた刺青人皮の作りの粗さをすぐに見抜きます。

 なめしの工程(せん)が甘いとか、なめしにミョウバンやクロムを使うと肌が荒れるからタンニンでなめすのが一番だとか。その知識と技術と情熱を鶴見中尉に買われ、物語のキーとなる偽の刺青人皮の依頼までされることになりました。ちなみにファンからは鶴見中尉と同じく、「江渡貝くぅぅん」と呼ばれる人気キャラです。

●外科医療のプロ!家永カノ

 家永も『ゴールデンカムイ』名物の変態ではありますが、もともとは医者で、その外科医療の技術は本物です。美しい妙齢のご婦人に見える家永は、実は刺青人皮を背負う脱獄囚の老人。他人の美しさや若さなどを文字通り取り入れることで(人を食べて……)、脱獄囚仲間にもバレないほどに様変わりしているのです。

 美や若さを取り入れるために、自らの外科技術をおしみなく発揮していた外道の家永ですが、実は本作になくてはならない人物です。なにせ、脳に被弾した杉元の命を救ったのですから。当時の日本にはまだ脳外科手術ができる医者がいなかったものの、趣味の拷問で何人もの開頭手術を行っていたからできた……という、複雑な気分になる理由ではありましたが、なんにせよプロの腕前ということは確かでしょう。

 他にも、戦闘全般のプロ・土方歳三や狙撃のプロ・尾形百之助、爆薬のプロ・キロランケ、人心掌握、情報収集のプロ・鶴見中尉、柔道のプロ・牛山辰馬、占いのプロ・インカラマッ(ラは小文字)などなど、それぞれの道での凄技を味わえるのも、この作品の醍醐味ではないでしょうか。刺青囚人たちも、詐欺や毒物、殴り合い、潜水に砂金堀りなどさまざまな一芸に長けていました。

 そして最後に、主人公・杉元佐一は、生きるプロ!アシリパが「あいつの強さは死の恐怖に支配されない心だ」「あいつは自分から死神にギリギリまで近づくことで生き延びる活路を見いだす」「だからあいつは不死身の杉元なんだ」というように、まさに生き続けることのプロフェッショナルなのです。

(古屋啓子)

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