昭和の教育「泣くな」と言われて→「さらに攻撃される」「弱みを見せることに」という考えに 精神科医が指摘する危険性とは
まいどなニュース / 2024年4月30日 20時15分
昭和生まれの世代だと幼少期に「泣くな」と教えられた方は多いと思う。今、SNS上ではそんな教育の弊害が大きな注目を集めている。
「『泣くな』って教育辞めた方がいいなと思う
悲しい時に泣けなくなると精神的にも逃げ場が無くなるし泣きそうになるだけで自分を責め出す人が今の50代男性見てるとめっちゃ多い
笑いながらパワハラ被害の話してる人とかはホントに突然自死しかねない
感情を日常的に押し殺すって己の心の殺人やで」
と意見するのは精神科医のバクさん(@DrYumekuiBaku)。
「男らしくない」「強くあれ」といった理由で言われることの多い「泣くな」。しかし自然な感情をあえて我慢することは、心身に大きな負担となるのではないか。
今回の投稿に対し、SNSユーザー達からは
「泣き方忘れちゃうよね。せめて子供のうちはじゃんじゃん泣いてほしいよね。声あげて泣いていいんだよ。大人も泣くんだ。泣ける相手が限られてくるけど、、、」
「小さい子が転んだ時に『痛くない!』と保護者の方がいうのを見て、こうやって痛さを外に出せなくなったり泣けなくなっていったりするんだろうなぁ、と思います。泣くことは情けないことでもダメなことでもなく、自分の感情を表す術の一つだという認識が広まってほしいです…」
「同意見です…泣くって感情や行為を完全に否定してるし削除されててその言葉を聞くとすごく悲しくなります…泣いてる状態を見てる側が困るから『泣くな』って言ってるだけで本人の為ではないと思う…」
など数々の共感の声が寄せられている。
投稿者さんに聞いた
バクさんに話を聞いた。
ーーバクさんご自身も「泣くな」という教えを受けてきたのでしょうか?
バク:私自身が「泣くな」と言われた記憶はありません。思い返した結果、実際ワクチンや注射などを受けている時にも興味の方が強く、泣いたことがありませんでした。中学、高校で車に跳ねられた時も驚愕の方が強く泣いておらず、このため「泣くな」と言うことを第三者から言われたことがないのかもしれません。ただめちゃくちゃ涙もろいためナウシカのテーマソングを聞いただけで号泣はします。
ーー今回の投稿に込めた意図、思いをあらためて。
バク:受診に来られた方の一定の割合で、笑いながら自身の困りごとを話される方がおられるのですが、一部に「それを笑いながら言うのは逆に心配」と思う方々がおられます。40、50代の男性に多いのですが、若い男女にもおられます。聞くと「泣くのは情けないこと」と言われていたり、もしくは職場で涙を流した際に怒鳴られたなど、泣くことに恐怖心があり泣けないと言う人が多く、あのようなポストになりました。
ーー反響について。
バク:少し驚いたのが「泣いたら弱味を見せることになる」「泣いたら更に攻撃される」という反応があったことです。弱味を見せたら更に攻撃されると言うのは自分としてはこの令和でもあるのかと思いつつ、元職場などを思い出し、まだまだそんなものかもしれないなぁとも思いました。少なくとも攻撃する側にはなりたくないなと思いました。
◇ ◇
環境のせいで自分にさまざまな制約を課してしまい、生きづらさを感じている方は多いと思う。今回の話題を提供してくれたバクさんはそんな悩みに寄り添うべく、これまでに「ゆるメンタル練習帳――そこそこ幸福に生きる40のコツ」(ダイヤモンド社)、「依存メンタルを力に変えるレッスン」(大和書房)などの著者を発表している。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)
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