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お祭りの屋台がペンケースに 思わず楽しくなっちゃう お祭り気分で勉強も

まいどなニュース / 2024年5月11日 18時0分

冊子の中には、各地で撮影された屋台ののれんがぎっしり

お祭りに欠かせないのが、食べ物やゲームの屋台。たこ焼きや、スーパーボールすくいなど、ずらりと並ぶ屋台ののれんをペンケースに仕上げた、グラフィックデザイナーのハヤシコウキさんの作品がSNSで大好評。「全部欲しい!」などの声が寄せられています。

職業柄、文字を見たり描いたりするのが好きというハヤシさん。普段から気になった文字や、好きだと感じた文字を見つけた時は写真に撮っておく習慣があり、その一つが「屋台のれん」だったそう。「JAPAN屋台のれん」という冊子を自主制作。撮影した屋台のれんを図案化して約80種類を掲載しています。話を聞きました。

――80種類もあるんですね。

ハヤシ:お祭りに行くと美味しい食べ物や楽しい雰囲気につられてしまって見逃しがちですが、こうして集めて丁寧に観察すると、日本の「屋台のれん」ってとても魅力的だと感じます。大胆かつ華やかで、力強くシンプルで、時には遊び心があり、バリエーションに富んだデザインの数々。もはやお祭りの景観をつくっている最たるものと言っても過言ではないと思います。

――屋台のれんペンケース制作のきっかけは?

ハヤシ:カプセルトイなどの企画・製造を行っているクオリアさんから、グッズ制作のお話をいただいたことがきっかけです。私も昔からガチャガチャが好きだったので、お話が来た時はとても嬉しかったです。でも、冊子に載せていた屋台のれんは、この世のどこかの誰かが制作したものです。そこで私が新しく書き起こすことにしました。今まで屋台のれんをリサーチしてきた経験と、グラフィックデザイナーとしての技術を生かして、ありそうでない、オリジナルの屋台のれんを制作しました。

――オリジナルの屋台のれんのこだわりポイントは。

ハヤシ:屋台のれんに描かれている文字は、手描きのものがベースになっているものが多いんです。屋台のれんの「らしさ」をだすためには、一般的なフォントを使わずに文字を書き起こす必要がありました。実際に筆で書いたりして、一歩でも職人が作ったものに近づけるよう工夫しています。気をつけたのは、キレイに整えすぎないこと。手で描いたブレやズレをあえて残すことで、それが味となり、人の目を惹きつけるポイントになると思っています。

――地域性や流行はあるんでしょうか。

ハヤシ:私が見てきた中では、中国・九州地方の「はしまき」や北海道の「フレンチドッグ」などは関東地方ではほとんど見かけません。全国に「ご当地グルメ」があるように、きっとレアな屋台もたくさんあると思います。屋台は人を集めるためのものですから、流行にも敏感です。最近では「10円パン」や「ホットク」など韓国由来の屋台が増えてきたように感じます。韓国には年中屋台が立ち並ぶ観光名所があり、食べ歩きの文化が根付いています。日本と通じるものが少なからずあるのだと思います。珍しい屋台を見つけて食べてみるのも、お祭りの楽しみ方のひとつです。

――屋台のれんで最も心奪われる魅力は?

ハヤシ:いかに他の屋台より目立つか、お客さんの目につくかを考えられて作られた屋台のれんに、グラフィックデザインの原点のようなものを感じます。形、色、素材を変化させたり、イラストを添えたり、セールスコピーを入れてみたりと、決められた枠の中で少しでも目立とうと創意工夫をするわけです。のれんをアップにしてよく見ると筆の跡があることがあります。驚くことに印刷ではなくて手描きなんです。今でこそ印刷したものが多くなりましたが、手描きの屋台のれんは結構貴重です。こういう職人の手技が感じられるものにグッときます。 力強くてシンプルで、伝えたいことがはっきりしていて、 時に遊び心があるデザインは、グラフィックデザインのお手本といってもいいくらいです。

◇   ◇  ◇

「日本が独自に進化させてきた文化として、お祭りの屋台に人が集まる光景がこの先もずっと見れるといいなと思います」とハヤシさん。美味しそうな食べ物やゲームに目を奪われがちですが、のれんにも注目していきたいですね。

(まいどなニュース特約・ゆきほ)

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