子どもにとって「5月」は最も危険!?遊具での事故が増える時期『服装や持ち物の注意点』『もし他の家の子と"危ない状況"になっていたら?』
MBSニュース / 2024年5月2日 17時21分
5月は遊具による子どもの事故が多い?ゴールデンウィークも気を付けたい公園遊びについて、「日本こどもの安全教育総合研究所」の宮田美恵子理事長が解説。新入園・入学した環境に慣れて遊びに出る機会が多くなる今の時期、子どもの服装や持ち物はどんなことに注意すればよいのでしょうか。宮田さんは『迷子に備えたSOSカード』の準備の大切さについても訴えます。※この記事は、2023年5月3日放送のMBSテレビ「よんチャンTV」の内容をもとに構成しました。◎宮田美恵子:日本こどもの安全教育総合研究所の理事長 子どもの被害事件の分析や安全教育、学校安全、地域防犯活動の指導を行う
服は“ひらひら、ふわふわ”に注意! 持ち物を“首からさげて”遊ぶのは危険
―――まず、遊具による子どもの事故発生件数を月別で見ると、5月が一番多くなっています(2009年9月~2015年12月の統計 ※消費者庁より)。5月が多いのはどうしてなのでしょうか?
(宮田美恵子さん)心地良い季節になっていることと、新入園・入学で環境が変わってちょっと緊張していたところ、5月に入ってだいぶ慣れてきて、新しいお友だちと一緒に遊びに行く機会が増えていると思います。
―――では、子どもの服装や持ち物で気をつけるべきことはあるのでしょうか。宮田さんによりますと、服装は、フードつきの洋服・ロングスカート・サンダルなどは避けた方がいいということです。持ち物に関しては、水筒・防犯ブザー・カギ・携帯電話など首からさげているようなものは、遊ぶときは外したほうがいいということです。服装や持ち物について、保護者がちゃんと選んであげることが必要なんですね?
(宮田美恵子さん)そうですね。フードつきの服はフードや紐がどこかに引っかかったりして“首吊り状態”になったりということがありますし、ロングスカートはひらひらしているのでやはり引っかかると。また、ミニスカートでもチュールが広がっているようなものは心配ですね。反対にピチピチのスキニーみたいなズボンだと、いざというときに動きにくいことがあります。また、サンダルも脱げたりするため良くないです。あと、足首のところが自由にならない固定してある靴は、いざというとき自分を支えたりしにくいので、できれば履かない方がいいですね。遊びに行くときはかわいいよりも機能的。ひらひら、ふわふわに注意してもらいたいです。持ち物で言うと、ものをなくさないように首にかけることがよくあります。例えばこの季節、熱中症を気にして水筒を持っていくのはすごく大事なことです。ただ一方で、つまずいて転んだときにみぞおちのところでぐっと押されることがあったり、紐が首を吊るような状態になるのがとても危険です。
―――元衆議院議員の豊田真由子さんは、お子さんが小さかったときに何か意識されたことはありますか?
(豊田真由子さん)すごく意識していました。2人育てているんですけども、紐を付けなかったです。水筒も携帯も全部リュックに入れて背負わせて。リュックはさすがにおろすので。子どもが危険を認識するのって知識と経験なので、怖いとか危ないという感情をまだ全然持っていなくて、大人がびっくりするぐらい危険回避能力は低い。のびのび遊ばせてあげたい反面、取り除ける危険は取り除く。遊具も私はずっとそばでくっついて見ていましたね。小学校に上がる前とか上がった直後ぐらいが一番危ないと思います。
他の家の子どもが危ない行動をしていたら?
―――よそのお子さんと何か危ない状況になったときには、どう言ってあげるのがいいのでしょうか?
(宮田美恵子さん)2、3歳になると子どもって他の子どもたちを見て、あんなふうに遊べるんだとかって真似をしようとしますから、危ない行動を真似されるとみんなが危険になってしまうので、他の子のことでもぜひ注意というか、直していけるような声を上げてもらいたいと思います。声をかけるってなかなか難しいですけれども、いいやり方とすれば、例えば滑り台の降りたところで遊んでいる子がいたら危険ですから、親御さんに『お子さんがけがするといけないから、私いま手がすいているのでちょっとお声かけてきましょうか』と、あくまでもお子さんがけがしたらいけないから何かできることをお手伝いしますよっていうスタンスで呼びかけるといいと思います。
―――遊具によっては、『この遊具は6歳-12歳用です』などと対象年齢が示されているものもあります。ただ、宮田さんは「対象年齢はあくまで目安。自分の子どもはその遊具で本当に1人で遊べるのか、付き添いが必要かなどは親が判断してください」という見解で、子どもの年齢とそれぞれの個性もありますから、親がちゃんと見てあげるということですね?
(宮田美恵子さん)そうですね。あくまでも目安ですから、「うちの子は当てはまっているけど、どうなのかな」と。6歳になったばかりなのか、もうじき7歳なのかによっても全然違いますし。発達段階がそれぞれ違うというところを一番よくわかっているのは親御さんだと思うので、ぜひそこは見てあげてほしいです。
『SOSカード』を名札や服の裏側に!
―――そしてゴールデンウィーク、混雑した場所で気をつけたいのはやはり迷子です。手をしっかりつないで離さないことも大切ですが、他にもできることがあるといいます。それは事前に「約束」をしておくこと。例えば「はぐれたときはこの場所で待っててね」「困って話しかけるときは、お店の人か何人かのグループの人にしてね」といった声掛けをすることも有効だということです。そして、用意しておくと安心なのが『SOSカード』ということですが、これはどういうものですか?
(宮田美恵子さん)例えば、学校に行ってる子どもなら名札の裏側に「たすけて こまっています」書いておく。幼児であれば服の裏側にSOSカードをつけておいて見せるだけにすると。迷子になってどうしようとパニックになったり、または子どもは自分の状況をなかなかうまく説明できませんので、お店に入ったはいいけど誰にどうすればいいのかがわかりません。困ったとき、カードを見せなさいと。裏には園や小学校の連絡先を書いておけば、子どもも見せるだけならやってくれるかもしれません。そういった方法です。
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