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【記者コラム】敗戦の夜を独自取材「もうポストは期待していない」維新代表選に挑んだ2人「"ちみけん"で痩せた、メンタルやられます」

MBSニュース / 2022年8月29日 6時41分

ズルズルズル、茨木市内のラーメン店で、麵をすする音が寂しげに響く。(足立康史氏)「ここ行きつけなんだよね、そんなに量食べられないから半ラーメン半チャーハンで十分なんだ」この数時間前―。

(会場のアナウンス)
「足立康史氏1158票、馬場伸幸氏8527票、梅村みずほ氏1140票」

日本維新の会、結党以来初となる代表選挙で足立氏は大敗した。

「松井さんや党組織に負けた」

その敗因について、足立康史氏はこう分析するー

(足立康史氏)
「松井さんは事実上の後継指名、吉村さんも支持を表明して、選挙には不正がある、多重苦の戦いなので、全く想定の範囲内。馬場さんに負けたっていうより松井さんや党組織に負けたって感じ」

"対立候補ではなく党に負けた"という言葉を私は去年、衆議院議員選挙で維新候補に敗北した自民候補から耳にしたことがある。その言葉をまさか維新議員の口から聞くことになるとは思わなかった。

「もうポストは期待していない」

(足立康史氏)
「とにかく馬場陣営には徹底的に組織固めをされた。維新らしさが国民に広く伝わる選挙ではなかったよね、そういう点では今回の選挙は失敗だと思うよ。僕にも責任がある」

目を細めながら足立氏は続ける。

(足立康史氏)
「松井さんは今回、申し訳ないけど、晩節を汚したよ。既得権死守に邁進する姿を見てしまった、という点では人間的なシンパシーはもうなくなった」

代表選について松井一郎前代表は負けたら"冷や飯"と繰り返し口にしていた。党国会議員団の政調会長を務める足立氏だが、今後については?

(足立康史氏)
「政策作りからは1回身を引くってことじゃないかな?もうポストは期待してない、権力闘争に負けたわけだから。維新らしさの最大のポイントは地方重視と党員民主主義だと私は訴えていたわけだから、一貫して来年の統一地方選挙に向けた応援と党員の拡大のために一兵卒として邁進していこうと思っているよ」

足立氏は"温かいラーメンと焼き飯"を頬張りながら、静かに笑顔を見せた。

"ちみけん"ダイエットで3㎏ほど痩せた

同じく、代表選挙に立候補し、大敗した梅村みずほ氏。街頭演説では"冷や飯でもお茶漬けにしておいしく食べたい"とユーモラスに語っていたが...

(梅村みずほ氏)
「今回の選挙期間、"ちみけん"ダイエットで、3kgほど痩せました。大人になってから初めてこんな体重になりました」

"ちみけん"とは、松井前代表がたびたび口にしていた"血みどろの権力闘争"の略だという。

(梅村みずほ氏)
「今回の選挙は準備不足だった。30人の推薦人を集められるかぎりぎりの戦いでした。当初42人いた推薦人は次々と他陣営に引き剥がされ、LINEグループから次々と人が退出していきました。やっぱりメンタルやられます。自民党の権力闘争に比べたらかわいいものですけどね」

「次公認されないっていうのもあり得ると思っている」

国会議員1期目の新人の挑戦に、党幹部からは「党役員になりたいだけじゃないのか?」と認識の甘さを指摘する声も上がっていた。本人は今後のことをどう考えているのだろうか?

(梅村みずほ氏)
「自分もこの先どれくらいの温度のご飯もらえるかわからないですけど、ガリガリ君並みの"冷や飯"が来たら次はわからないですよね。今の党の体質を見ていると、次公認されないっていうのもあり得ると思っている」

政治家生命の危機を、淡々とした口調で告白した梅村氏。3年後の先行きは不透明な状況だが、支援してくれた議員らの事務所や自宅を訪問しながら、こう話した。

(梅村みずほ氏)
「今回出馬して本当によかった。お土産は大きかった、必要なのはもっと仲間を増やすこと、党内の議員たちとのコネクションをもっと強めていく必要がありますね」

大本命だった馬場新代表に挑んだ2人の候補。初めての代表選で敗戦を喫した2人と、新体制となる日本維新の会の行く末は、どうなっていくのだろうかー。

報道情報局東京報道部 尾藤貴裕

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