33年間変わらぬ濃さで続く深夜放送「タモリ倶楽部」

メディアゴン / 2015年10月16日 11時30分

山木康子[東京作家大学]

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テレビ朝日「タモリ倶楽部」が始まったのは昭和57年10月8日。もはや伝説化している長寿番組「徹子の部屋」が昭和51年スタートを考えると、「タモリ倶楽部」がいかに長く続いている番組であるかがわかる。

昭和57年の放送開始以来、基本はオールロケだ。企画倒れなどでロケがない時は、テレ朝の玄関先やエレベーターホールをパーテーションで仕切り、イスに座り、とりあえず30分収録して番組にしてしまう。

そのゆるい感じと適当なスタンスからはタモリのおおらかさが感じられ、絶妙な感覚がおもしろい。今日はどんなマニアな世界へ連れていかれるのだろうと金曜の夜はチャンネルを合わせ、ワクワクして放送を待ってしまう人は多いはずだ。

2015年10月2日に筆者が見た回は、世田谷の農園からのロケ。ナスを作る農家の様子のレポート、苗作りの最新キット、いつもの空耳アワーを挟み、最後は農家が個人で作った農器具を紹介した本と、その本に載った農器具を実際に使うというコーナーだった。

ナスの種付けや収穫は園芸番組で見ることもあるだろうが、個人が作った農機具による農園でのパフォーマンスを見る機会は多分ない。なんともマニア色の強い回となっている。

脈絡のないこれまでの番組内企画には、かつて工事中だった大橋ジャンクションの工事現場潜入。旧東横線営業終了直後の渋谷駅特集。とある大学のゼミの研究・サークル活動探訪など、おもしろさが担保できない故に誰もテレビでは怖くて挑戦しない企画ばかりが揃っている。

その一方で、人気となり何年も続く企画シリーズには、毎週オンエアされる「空耳アワー」があり。

イラストレーター・安西肇氏が長年相方を務め、洋楽の歌詞が日本語に聞こえるという投稿のイメージ映像をタモリ倶楽部専門の役者が演じる。深夜番組ならではの「ちょっとピンクな感じ」のスタンスもスタート以来、変わらず続いている。

長年変わらぬ役者たちが、ばかばかしいピンクの演技で「プッ」と笑わせる。例えば、ビートルズの歌詞「I wanna hold your hand(君の手を握り締めたい)」が「アホな放尿犯」になったりする。

安西氏はせっかくの投稿者に何か景品をあげたいので、優しいジャッジ。それに対してタモリは厳しすぎるジャッジが多い。その二人のかけひきも魅力の一つだ。

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