「待機児童対策3000億円」は公務員人件費26.5兆円の1.2%分でまかなえる
メディアゴン / 2016年3月15日 7時30分
石川和男[NPO法人社会保障経済研究所・理事長]
* * *
安倍首相は、ホワイトデーの3月14日、参議院予算委員会の集中審議で、「待機児童ゼロを必ず実現させていく」と述べ、保育士の待遇改善策を取りまとめる考えを示した。
取り急ぎ必要な予算額は、年間3000億円とされている。これについて、安倍政権の本気度を測るバロメーターは、次の3つだ。
1. 選挙前に公表される予定の『一億総活躍社会に関する最終報告書』で、保育向け追加予算額がしっかり明記されること
2. 2016年度の分は、夏の参院選(又はダブル選?)の前に編成されるであろう2016年度補正予算で手当てされること
3. 2017年度以降の分は、2017年度以降毎年度の概算要求で計上することを政府方針とすること
まず、2016年度の分だが、財源として国民理解を得やすいものとして、政治的に思いつかれやすいのは、やはり公務員人件費。
2016年度予算における公務員人件費は、国・地方合わせて26.5兆円。待機児童対策として必要な予算規模については諸説あるが、直近ニーズでは約3000億円程度とされており、これは公務員人件費の1.2%分となる。
26.5兆円 × 1.2% ≒ 3000億円
少子化・高齢化への対策なのだから、子ども子育て財源は本来、年金・医療など高齢者向け予算からの転用で賄うべきもの。
しかし、年金・高齢者医療は、日本の政治における最大の利権の塊であり、そう易々と削減できないだろう。今までもそうだった。そして、憲法改正に向けた安倍政権の姿勢を始め、今後の政治情勢を俯瞰すれば、やはりそう思わざるを得ない。
筋論としては全くおかしな話ではあるのだが、取り急ぎは、公務員人件費の転用という、最も政治リスクが小さい安直な手法しかないだろう。
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