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椎名林檎、Perfumeのっち・宇多田ヒカルらとコラボの新アルバム「放生会」決定 6年ぶりアリーナツアーも開催

モデルプレス / 2024年5月27日 14時2分

「初めてももさんをライブで拝見したとき、紅白歌合戦の大トリみたいだと思いました。彼女のあの度胸、底抜けに明るい諦観のようなものへ憧れましたし、次の瞬間にはどんな曲がいちばんお似合いになるか頭を抱え始めていました。今回の『ほぼ水の泡』はその初期衝動を思い出して書いた気がします。ももさんを始め今回ご参加いただいたみなさん、私の信仰する猫のようにしなやかです。3分間だけでも共に生きられて、光栄です」

今回のアルバム『放生会』のもう1つの大きなトピックは、昨年のツアー『椎名林檎と彼奴等と知る諸行無常』にも参加していたドラムの石若駿とベースの鳥越啓介が全楽曲の基礎を司るメンバーとして固定されていて、既発曲の一部もその新しいリズム隊によって再レコーディングされていることだ。この2人のビートがもたらしたバンド全体のアンサンブルのリフレッシュ感は、アルバムとしての統一感に寄与しているだけでなく、これまでの椎名林檎のアルバムと比較しても、かつてないほどの陽性な勢い、生の躍動感を生み出している。

「ツアー(『椎名林檎と彼奴等と知る諸行無常』)のリハーサルで、石若くんと鳥越くんがいてくれることによって、恥ずかしい若書きの自作曲にさえ全然違うアプローチが思い浮かんで来ました。彼らを始め、いつもお供くださる演奏家は、揃いも揃って手練れです。でも、技術をみせびらかすだけじゃつまらない。音楽を具現化した生き物のような皆さんだからこそ、簡単で、単純で、バカみたいなことを一緒にやっていただくわけです。音楽屋という役割の重みと軽み、面白みをまた新たに思い知るツアーでした。今回のアルバムも、そこからの自然な流れのなかで作られました」

アルバムタイトルの『放生会』は、インドに起源をもつ宗教儀式で、捕獲した魚や鳥獣を野に放し、殺生を戒める祭のこと。日本では「どんたく」や「祇園山笠」と並ぶ博多の三大祭の1つとしても知られている。

「とにかくあらゆるものを手放さないまま生きる人々を描き切りたかった。『ちりぬるを』で描かれたような、予告なく死ぬ身近な者に対して、『さらば純情』で描かれたような、若かりし日の美徳に対して、一切合切諦めない人間が密かに抱く信念を、見てみたくて。それらもすべてやっぱり“三毒”といえば“三毒”です。つまり、今の世の中のムードからしたら真っ向からのアンチテーゼですよね。今回お酒をモチーフにした曲が多いのも――私はあまり飲まないのですが――不謹慎、不道徳の象徴として手伝ってもらっているつもりです」

「ちりぬるを」(offering sake)のファンキーなビートで威勢よく幕を開け、途中何度も絶頂を迎えながら、「ほぼ水の泡」(cheers beer)の狂躁で大団円を迎えるアルバム『放生会』。その時代に逆行するかのような景気のいいアルバムの根底に流れる不謹慎で不道徳な企みをダメ押しするかのように、アルバムのサプライズリリースと同時に発表されたもう1つの大きなサプライズ、秋冬アリーナツアー日程と場所は、当地の特産品、例えば福井公演は越前かにの解禁日に合わせたものだという(!)。

執筆:宇野維正

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