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「虎に翼」ジェンダー問題描写の意図、エンタメ界に求めること 脚本・吉田恵里香氏が語る「知ろうと思うことを恐れないでほしい」【インタビューVol.1】

モデルプレス / 2024年9月15日 12時0分

― 視聴者の方々にはどのように受け取ってほしいですか?

吉田:もしかしたら、朝ドラに性的マイノリティの方や外国の方が出演することに対して何か思う方もいるかもしれません。でも歴史を辿れば、昔から当たり前に存在していて現在と何も変わりません。この問題が70年以上経った今もあまり変わっていないということに対して「どうしてなのかな?」と想いを馳せていただけたら嬉しいです。

◆吉田恵里香氏「虎に翼」を通じたセクシュアル・マイノリティとの向き合い方

― セクシュアル・マイノリティをエンタメで表現するにあたり、どのように向き合われてきましたか?

吉田:当事者の方は、決して“教える側”ではないのに、どうしても当事者の方に強いてしまいたくなったり、私自身も色々聞いちゃったりすることもあって反省する部分があるなと感じています。だからこそ、エンターテインメントや作品を通じて知るきっかけになることは大事だと思っています。私も描く上でやり方を間違えていることはあって、それによって当事者の方を傷つけてしまうのは本当に申し訳ない気持ちでいっぱいなのですが、怒られるからやらない、で終わりにするのではなく、自分が勉強してエンタメで描くことを当たり前にしていきたいなと思っています。「そのうち増えるだろう」と未来に託しすぎると、本当に歩みが遅くなってしまいます。人は絶対間違えるから、知ろうと思うことを恐れないでほしいです。

― 性転換した山田役の中村中さんをはじめ、マイノリティのキャラクターに当事者を起用したキャスティングの意図について教えてください。

吉田:私自身は、できるだけ当事者の方に演じてもらえたら素敵だなと思っているのですが、今回に関しては、主にスタッフの方々が動いてくださって実現することができました。ただ、当事者がその役を演じるというのは、いいなと思う反面、難しいなとも思いました。例えば、良くも悪くも当事者の方が矢面にたってしまうこと。この取り組みが絶賛されていくと、いつか『同性愛者の方はシスヘテロの役をやってはいけない』みたいな見当違いな意見が生まれる可能性がある。結果、オープンにしている方の仕事を狭めないかなど心配もある。今の社会でセクシャリティをオープンにできないことには、悲しい理由が沢山あります。当事者をキャスティングするだけでなく、そもそもの社会構造改善をエンタメ界が一丸となって取り組んでいくべきと思っています。

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