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「虎に翼」ジェンダー問題描写の意図、エンタメ界に求めること 脚本・吉田恵里香氏が語る「知ろうと思うことを恐れないでほしい」【インタビューVol.1】

モデルプレス / 2024年9月15日 12時0分

◆「虎に翼」キャラクターの描き方

― 女性の社会進出をテーマに描くにあたって、社会の法律の問題だけでなく、家庭や人間関係についても多角的に描かれていらっしゃるなと感じましたが、視聴者の方からの見え方を意識されていたことはありますか?

吉田:「虎に翼」は、自分の人生を自分で決めるということをテーマにしていますが、寅子だけでは描ききれない部分が多かったので、女子部のみんなに最後まで出演してもらいながら描いていこうと決めていました。描き方については、私はバリバリ働いても良し、家庭に入っても良し…自分を発揮できるように心から望んだ生き方が一番だと思っているのですが、自分自身が働いていると、どうしても働いている側の立場に立ってしまうと視野が狭くなってしまう。ですので、寅子たちばかりではなく、専業主婦の花江(森田望智)のこともきちんと描くよう配分に気をつけました。主人公の寅子だけが正解ではないし、寅子も間違えることがあるということが大事だと思っていて、全てのキャラクターにおいてあまり美化しすぎないようにしています。役者さんや演出のみなさんの力をもあって、それぞれのキャラクターがすごく愛される存在になって嬉しい限りです。また、誰かに寄り添うと、誰かの見えていなかった部分が見えてくると思うので、そういう体験を作れたらいいなと思っています。

― 男性を描くにあたって意識していたことはありますか?

吉田:女性の生き辛さを描いている作品ではありますが、それって全ての社会の生き辛さに繋がると思っています。女性が生きやすくなったからと言って、男性が生きにくくなるわけではない。そこにはすごく気を付けて描きました。だけど、理解あるフリをして傷つけてしまうこともあるし、全く理解できない人もいて、全てにおいて正しい人はいないと思います。きっと「これだけ寄り添ってやっているのに…」みたいな気持ちも少なからず生まれてしまうのが人間だと思うので、そことどう向き合っていくのかは、女性も含め全てのキャラクターを描く上で意識しました。

― 視聴者の方からも様々な意見があると思いますが、どのように感じられていますか?

吉田:差別や誹謗中傷は絶対にダメですが、それ以外はどんな感じ方でも良いと思っています。まずは、当時から苦しんでいたり、寅子の言葉を借りれば、その時は折れて世の流れに身を任せたてきた方もいっぱい居ると思うので、それを知ってもらうことが大事でした。ただそれが、この数年にぽっと出たと思っている方が結構多くて、今出た問題を今解決するのは難しいから未来に投げちゃおうみたいなマインドになっていると思いますが、実はもう100年近く前からずっと放置されてきた問題であることを分かってもらえたら嬉しいです。色々な意見がありますし、作品の好き嫌いはその人が決めればいいと思うのですが、悩んでいた人が確実にいて、今も悩んでいる人が居るということに対して、私はどう言われても構わないので、問題提起や何かに繋がればいいなと考えています。当事者の方が矢面に立つべきではないと思いますし、エンターテインメントだからこそやれることがありましたし、やる意味があったと感じています。

★Vol.2へ続く!

◆「虎に翼」第121回あらすじ

香淑(ハ・ヨンス)は原爆被害に遭った外国人への支援を始めることを決意する。寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)は、大学院を中退し、家中心の生活を始めた優未(川床明日香)をそっと見守っていた。

一方、朋一(井上祐貴)は最高裁事務総局から家裁に異動を命じられる。突然の決定に憤慨する朋一に寅子は言葉をかけられない。

(modelpress編集部)

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