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松坂桃李、コロナ禍を経た今伝えたいこと 時代劇に懸ける熱い想い「世間の捉え方を変えていきたい」【「雪の花 ―ともに在りて―」インタビュー前編】

モデルプレス / 2025年1月2日 17時0分

助けられたという共演者の1人に、良策の師匠となる蘭方医・日野鼎哉役を演じる役所広司の名前が挙がった。今作で5度目の共演となるが、撮影を振り返り「役所さんが初めてこの衣装とメイクで出てきた時は“赤ひげ”が来たかと…(笑)。それぐらいの迫力と風貌、そして慈愛に満ちた空気を纏っていました。『利を求めず、名を求めず』というセリフもありますが、それは良策だけでなく僕自身にもくれた言葉のような気がしていて、役を飛び越えた説得力と感情がありました」と役所への尊敬の念をあらわにした。

◆コロナ禍を乗り越え感じたこと

本作の題材となる未曾有のウイルス「天然痘」。江戸時代末期では、死に至る病として恐れられるも予防法が見つかっておらず、病にかかった人を隔離し見守ることしかできなかった。これは、2020年頃より世界中で猛威を振るった新型コロナウイルスを彷彿させる。松坂自身もそのことを強く実感し、過去と現在の繋がりを考えさせられたという。そんな彼が、コロナ時代を生きた今だからこそ感じることとは――。

「本作のサブタイトルに『ともに在りて』とあるように、ともにいてくれる人がいるからこそ、何かを成し遂げることができるのだと考えさせられました。

今も昔も恐怖や不安で未知のものに手を出せない人がたくさんいると思います。でも良策には献身的な妻がいて、尊敬できる師がいて、友がいて…。いろいろな人たちの支えによって、多くの命を救うことができました。人間は1人じゃ何もできないのだと改めて強く実感しました」

◆松坂桃李、時代劇に懸ける熱い想い「世間の捉え方を変えていきたい」

コロナ禍から約4年――身を持って経験したからこそ、本作の描写に共感したり考えを巡らせたりする人も多いはず。その1人である松坂が、本作ならびに時代劇へ懸ける想いの強さはひとしおだ。「この作品を通じて時代劇に対する世間の捉え方を変えていきたいです。特に今回は実話を基にしたお話なので、距離感を持って観てしまうと歴史の教科書を眺めて『ふーん、こういうことがあったんだ』くらいの感覚で終わってしまいます。当時の方々がいろいろなことを成し遂げたからこそ“今”があるので、今と昔を分けて物事を考えてしまうのはすごくもったいないと思います」と力強く訴え、「コロナ禍を経験した今、渦中で戦い抜いた方のお陰で多くの人が救われているという事実を、より感じられると思うので、どんな感想を持つのかは個々の自由ですが、たくさん生まれた感想の中の1つとして受け取ってもらいたいです」と伝えた。

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