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騰落率、分配金利回り…投資信託の収益率を示す数字は?

MONEYPLUS / 2024年4月3日 7時30分

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騰落率、分配金利回り…投資信託の収益率を示す数字は?

今さらの話で恐縮ですが、2024年から新NISAがスタートしました。特に資産形成層の方は、つみたて投資枠を活用して投資信託を積み立ててこうなどと考えているのではないでしょうか。その投資信託の収益率を示す数字について解説します。


基本となるのは「騰落率」

投資信託を購入、解約する際には、「基準価額」という値段が適用されます。基準価額とは、1口あたりの純資産総額であり、純資産総額とはファンドに組み入れられている株式や債券などの時価総額になります。つまり株価や債券価格が値上がりすれば、ファンドの純資産総額が膨らむため、基準価額も上昇します。逆に、株価や債券価格が値下がりすれば、基準価額は下落します。

そして、この基準価額の値上がりによって得られるキャピタルゲインが、投資信託を保有することによって得られるメインの収益になります。

この基準価額が一定期間中、どのくらいの率で上昇・下落したのかを見るための数字が、「騰落率」です。たとえば2021年2月末時点では1万円だった基準価額が、2024年2月末時点で1万5000円だとしたら、「過去3年間の騰落率は50%」と表記されます。

%表示になるため、騰落率と利率を混同しやすいのですが、利率は「年利率」といって、1年あたりに得られる利息の元本に対する比率を示すのに対し、騰落率の場合、過去3年間の騰落率だとしたら、それは3年間に基準価額が何%上昇したのかを示します。

また、あまりケースとしては見られませんが、過去3年間の騰落率を、敢えて1年あたりの平均値に直す場合もあります。仮に過去3年間騰落率が50%だとしたら、その3分の1に該当する年平均騰落率は、16.66%になります。

ただ、平均は便利な概念ではあるものの、本質を見誤らせるリスクがあります。年平均16.66%というと、何となく毎年16.66%ずつ上昇するというイメージを抱きがちですが、たとえば1年目が30%、2年目が▲20%、3年目が40%でも、年平均は16.66%になることからも分かるように、平均値だけを見ると判断を誤ることにつながりかねません。

分配金利回りと利率の違い

投資信託は、1年間に1度、あるいは複数回の「決算日」が設けられていて、この日に、投資信託会社が、前回の決算日からの運用で得られた運用収益のうち、投資家にいくら分配するかを決め、その額を受益者に支払います。

たとえば前決算日から今決算日までに得られた値上がり益と株式の配当金、債券の利金の合計額が2000円で、今決算日時点の基準価額が1万3500円だったとしましょう。この2000円から1000円を分配金として支払われたとすると、分配金支払後の基準価額は、1万2500円に値下がりします。これが「分配落ち後基準価額」と称されるものです。

投資信託の分配金と、預貯金の利息は、往々にして混同されがちなのですが、両者は似て非なるものです。

確かに、投資信託の分配金も、また預貯金の利息も、「インカムゲイン」として区分されますが、預貯金の利息は、預け入れる時にその率が決められているのと同時に、支払われた後も元本の額は変わりません。預け入れた元本が100万円で、1年後に年1%の利息が支払われるとしたら、利息は1万円であり、その利息が支払われた後の元本は100万円に戻るだけです。

これに対して投資信託の分配金は、利金と似ているように見えますが、分配金がいくらになるのかは、その決算日までの運用次第です。運用成績が悪くて基準価額が下落している時は、分配金が支払われない恐れもあるのです。

加えていえば、預貯金の場合、利息を支払った後も、元本は預入時と変わりませんが、投資信託の分配金は前述したように、それが支払われた後、分配落ちといって、基準価額が下落します。ここを詳しく説明するとややこしくなるので、ここではひとまず割愛しますが、決算日に支払われる分配金の額によっては、分配落ち後の基準価額が、そのファンドを購入した時の基準価額より下回ることもあります。

決算日に支払われた分配金の額を、購入した時の基準価額に対して何%かを示す「分配金利回り」という概念があるものの、上記の分配金の特性上、預貯金の利率と同一視してはいけません。まったくの別物と考えるようにしましょう。

最も預貯金の利率に近い分配率

投資信託の収益性を示す数字のうち、最も預貯金の利率に近いのが「分配率」です。分配率が提示されている投資信託は現在、MRFのみです。

MRFは償還までの期間が極めて短い債券、あるいは無担保コール翌日物、CD、CPといった短期金融資産のみで運用されており、預貯金並みの元本安全性を持っています。

決算は毎日行われており、組入資産から得られる収益が毎日分配されます。ただし、MRFでも運用状況に応じて日々得られる収益は変動するため、その分配率は7日間に支払われた分配金の平均が元本1万円に対して何%になるか、という形で表示されます。

かつては、この手の分配率で収益性を表示する投資信託が複数ありました。中期国債ファンドやMMF、短期公社債投信などがそれですが、いずれも低金利の長期化などを背景にして資金が集まりにくくなり、現時点では運用されていません。

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(鈴木雅光)

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