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迷惑行為から復活の「くら寿司」ともに好調な日本と北米どちらに投資をする?

MONEYPLUS / 2024年4月11日 7時30分

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迷惑行為から復活の「くら寿司」ともに好調な日本と北米どちらに投資をする?

2023年は、回転寿司チェーン店にとっては災難な年でした。1月に「スシロー」を運営する「あきんどスシロー」で、醤油ボトルや湯呑みを舐めるなど迷惑行為を行った動画がSNSでアップされ炎上。また、4月には「くら寿司」でも同様の事件があり、回転寿司チェーン店に対するネガティブな印象が日本中に広がりました。

それまでわたしも娘たちと何度か地元のくら寿司に足を運んでいますが、その後は、なんとなく気が向かず外食の選択肢から除外していました。当然、投資対象としても監視から外していましたが、先日、たまたま目についたくら寿司の株価が、きれいに上昇しており、俄然興味が湧いてきました。


くら寿司の決算は?

画像:TradingViewより

とくに2024年10月第1四半期決算が発表された3月12日以降に上昇の角度がきつくなっています。それほど決算のインパクトが強かったのでしょうか? 確認してみましょう。

画像:くら寿司「2024年10月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

①売上高は56,110(百万円)、②前年比9.4%、③営業利益1,748(百万円)前年度は-671(百万円)の赤字だったので、黒字転換ということになります。四半期ごとの推移でみれば、23年5-7月から連続3四半期で黒字転換が続いていますので、迷惑行為による打撃からはなんとか脱出しつつあるようです。

決算短信の定性情報には、日本ではインバウンド需要が活況で、第一四半期決算では売上高、営業利益ともに過去最高益とあります。また積極的に店舗展開を行っている北米の子会社、Kura Sushi USA,Inc.(KRUS)が非常に好調ということも書かれております。

北米の子会社は日本と変わらない規模に

Kura Sushi USA,Inc.(KRUS)は、2019年にナスダック市場に上場しており、米国で4月4日に発表された2023年11月~2024年2月期は、売上高が前年同期比30.5%増の5,730万ドルでした。店舗数は、19年8月末時点で23店舗から、年間10店舗程度のハイスピードで増加しており、約60店舗まで拡大しています。

ナスダック市場での評価も鰻登りで、上場時から株価は4倍以上に高騰、時価総額は11.8億ドル。日本円にすると約1,780億円。日本のくら寿司(2695)の時価総額は2,000億円程度なので、ほとんど変わらない規模に育っています。

画像:TradingViewより

海外での和食ブームは以前から耳にしますし、その中でもSUSHIはもっともポピュラーな日本食といえます。Kura Sushiが人気なのも納得ですが、ハイスピードで拡大している理由は、おいしさのほかにも秘密がありました。

拡大理由は低価格の実現とビッくらポン!人気?

1月12日付の米ブルームバーグ通信の記事で、米投資銀行スティーブンスのアナリスト、ジョシュア・ロング氏が、Kura Sushi USA,Inc.(KRUS)の価格は一皿3.20~3.85ドルと、米国の一般的な寿司レストランの半分程度と説明しています。日本では税込で1皿110~150円の価格設定ですから、円換算すると1皿500円程度(!?)のKura Sushiは高く感じますが、米国ではほか寿司チェーンと比べるとお安いそうです。

日本では、競争激化や人口減により成長が見込みづらい上、庶民の味方の代名詞とも言える回転寿司で値上げするのは抵抗があります。一方、日本食ブームと、人口増加が追い風となっている上、インフレに寛容な米国で勝負をかけるのは極めて真っ当な戦略といえます。

ちなみに人件費の高い米国で、低価格を実現できているのは、積極的なIT活用によるものです。店舗内では、タッチパネルでの注文、回転寿司レーンに加え、配膳ロボットが飲み物を運んでくれます。バックヤードでは、シャリの成形などを自動化しており、日本から寿司職人を連れていく必要はありません。徹底的にDX化することで、人件費を極限まで削り効率化することで、他社と比べて低価格で満足度の高いお寿司を提供できているようです。

また、日本のくら寿司でもおなじみの「ビッくらポン!」。米国では、バットマン、スーパーマン、ジョーカーなどお馴染みのキャラクターや、アメリカでも人気の「呪術廻戦」などと積極的にコラボ展開をしており、こちらも人気のようです。5月1日には、ドラゴンボールとのコラボが開始する予定とか。アメリカ人の反応が楽しみですね。

日本とアメリカ、どちらに投資をするか

さて投資家として悩み深いのは、日本で上場しているくら寿司(2695)とナスダック市場のKura Sushi USA,Inc.(KRUS)、どちらに投資をするのがよいか、というところです。

株価の割安さを測るPERは、くら寿司(2695)は183倍、Sushi USA,Inc.(KRUS)は818倍。つい最近まで赤字だったため、どうしてもPERは高くなりますが、それにしても常識の範囲を逸脱した割高さです。冷静に考えるとどちらも今から投資するのはどうか、と躊躇するレベル。

ただ、くら寿司(2695)は現在株価が5,000円ちょっとで、単元の100株買うと50万円程度必要な一方、一株から買えるSushi USA,Inc.(KRUS)は115ドル程度。日本円では2024年4月10日時点で17,000円ほどなので、一株だけ買って、アメリカンドリームに乗っかってみるのも楽しそうです。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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(藤川 里絵)

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