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地味な銘柄「三菱鉛筆」1年前から株価が1.7倍&増配を発表、業界1位「パイロット」に迫る勢いの要因は?

MONEYPLUS / 2024年4月25日 7時30分

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地味な銘柄「三菱鉛筆」1年前から株価が1.7倍&増配を発表、業界1位「パイロット」に迫る勢いの要因は?

約1年前にこの連載で取り上げた三菱鉛筆、地味な銘柄だけに市場でもそれほど話題に上りませんが、気づけばこの1年で株価は1.7倍にも上昇しております。

参考記事:海外での売上が伸長!業績好調な老舗の筆記具メーカー・三菱鉛筆は過去最高益を超えられるのか? 

紹介したときは、ちょうど2022年12月期の本決算が発表された直後で、売上高68,997(百万円)、前年同期比+11.5%、営業利益9,243(百万円)、前年同期比+22.9%と二桁の増収増益で着地とすばらしい実績でしたが、同時に出された新年度予想は、売上高70,500(百万円)、前年同期比+2.2%、営業利益9,500(百万円)、前年同期比+2.8%で、伸び率に物足りなさを感じていました。


当初の予想値を大きく上振れ

画像:三菱鉛筆 「2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

ところが、そこから1年たって発表された2023年12月期の実績は、①売上高74,801(百万円)、②前年同期比+8.4%、③営業利益11,851(百万円)、④前年同期比+28.2%と、当初の予想値を大きく上振れて着地しています。この期を遡ってみると、第3四半期発表のタイミングで、一度上方修正をしており、同時に増配を発表。

しかも、2023年12月期から2032年12月期までの10年間、普通配当に加えて、毎年2円の特別配当を実施すると表明しました。前回の記事で、当社がPBR1倍割れを解消するためのなんらかの荒技を決めてくるのではないかと期待している旨を述べましたが、見事に決めてくれました! 現在、PBR1.17倍! しっかり1倍割れの不名誉を挽回しています。

しかも2024年を最終年度とした中期経営で目標としていた売上高740億円、営業利益116億円を1年前倒しで達成してしまったため、売上高780億円、営業利益125億円に引き上げました。

15期連続増配を達成か

この1年間でどのような変化があったのか決算説明書で確認してみましょう。

画像:三菱鉛筆「2023年12月期 決算補足説明資料

ビジュアルで見るとより際立つのが、2020年以降の売上の伸びです。2022年過去最高売上でしたが、それを軽々超えています。

画像:三菱鉛筆「2023年12月期 決算補足説明資料

そして、売上の伸びを牽引しているのが、海外での当社製品の人気です。1年前、海外売上比率が50%を超えたと喜んでいましたが、ここ1年でさらに比率を高め、53.5%になっています。

画像:三菱鉛筆「2023年12月期 決算補足説明資料

営業利益率、経常利益率の改善も目を見張るものがあります。これは値上げが受け入れられたことも大きいのでしょう。

画像:三菱鉛筆「2023年12月期 決算補足説明資料

さらに配当金は、2024年12月期で、15期連続増配を達成予定です。これは新NISA銘柄としても非常に魅力的。

画像:三菱鉛筆「2023年12月期 決算補足説明資料

製品別の売上比率をみると、サインペンが25.3%から29.8%と大きく伸ばしており、これは海外で、POSCA人気が引き続き強いためでしょう。ちなみに当社は、株主優待を出していないので、今後、こういった人気製品や、新商品を優待で出せば、個人投資家からの注目が一気に高まりそうです。

三菱鉛筆の過去の修正利益を見ると、2021年、2022年、2023年と3年連続で上方修正しています。

画像:三菱鉛筆 「2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

2024年度の予想は①売上高78,000(百万円)、②前年同期比+4.3%、③営業利益12,500(百万円)、④前年同期比+5.5%と、伸び率が物足りなく感じますが、これも例年に習うと上方修正をして、結果、二桁の増収増益なんてことも十分期待できます。

画像:TradingViewより

株価は、2月16日の本決算発表日翌日に大きく上昇したのち、高値圏で行ったり来たりと揉み合っています。この記事がアップされる4月25日に第1四半期決算が発表されるので、前年比が期待以上で伸びていれば、揉み合いからうわっぱなれの一段高となるかもしれません。

業界1位パイロットコーポレーションの決算は?

三菱鉛筆が好調となると、前回の記事で比較対象として取り上げた業界1位のパイロットコーポレーションのその後も気になります。

画像:パイロットコーポレーション「2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

2月13日に発表された2023年12月期は、①売上高118,590(百万円)、②前年同期比+5.1%、③営業利益11,851(百万円)、④前年同期比△10.6%で、当初予想に届かない着地でした。新年度予想に関しては、売上前年比2.0%増、営業利益は5.2%増とパッとしない数字です。パイロットは、欧州や中国での売上が低迷していることが、グループ全体の足を引っ張っており、海外子会社が堅調な三菱鉛筆とは明暗を分けています。

画像:TradingViewより

株価は、両者の状況を如実に表しており、きれいに二手に分かれています。時価総額は、パイロットが1,700億円、三菱鉛筆は1,500億円で、もうすぐ業界内の順位が入れ替わりそうです。パイロットは、日本の20倍の市場とされる幼児教育分野に進出するなど、巻き返し作戦を仕掛けてますので、おとなしく王位の座を譲る気はなさそうです。文具業界の首位争い、この1年間でどう変化するか楽しみに見守りたいと思います。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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(藤川 里絵)

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