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「日本人がフランスらしさを教えてくれた」ルノー・カングーの開発トップが激白!

MotorFan / 2018年7月3日 16時50分

「日本人がフランスらしさを教えてくれた」ルノー・カングーの開発トップが激白!

今年で生誕20周年を迎えた人気モデル「ルノー・カングー」。 時を同じくして10周年を迎えた日本発のイベント、 「ルノー カングー ジャンボリー」に、今年はルノー本社から LCV(小型商用車)部門のプログラム・ダイレクターが視察に訪れた。 欧州では商用車、もしくは安価な実用車として人気を博しているカングーだが、 高付加価値モデルとして独自の地位を確立している日本の状況を目の当たりにして カングー開発のトップは何を感じたのだろうか? TEXT●小泉建治(KOIZUMI Kenji) PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)



フランスにいると、フレンチタッチってよくわからないのです(笑)

 日本のみなさんのカングーに対する情熱にはすごく驚かされました。噂に聞いてはいましたが、やはり実際に自分の目で見ると違いますね。カングーのユニークなデザインや高いユーティリティを最大限に引き出して楽しんでいらっしゃる。

 最も印象的なのは、カラフルなボディカラーに溢れていたことです。フランス車にはカラフルなイメージがあるかもしれませんが、鮮やかなイエローやパープルやピンクなどは、パリでもまず見掛けません。日本ではクルールという特別カラーも売られていて、それがこれだけ支持されている光景を目にすると「ヨーロッパでも売るチャンスがあるのではないか?」と考えさせられます。

 また、アクセサリーやステッカーといった細かい演出もユーザーに喜んでいただける要素のひとつなのだと認識させられました。

 フランスに住んでいると、フレンチタッチってよくわからないんですよ(笑)。でも、カングーは年間生産台数の17万台くらいのうち約12万台はフランス以外の国で販売しているわけですから、フレンチタッチをアイデンティティとしてもっとアピールする価値はありそうです。今回、日本のみなさんにフランスらしさとは何かを教えていただいたような気持ちです。



日本でのマーケティングが、フランスでの販売に活かされることもあります

 とはいえ、実はすでに日本市場の声が我々を動かした例はあるんですよ。EDC(デュアルクラッチ式トランスミッション)仕様は、日本からの要求がなければおそらく開発されなかったでしょう。そのEDC仕様が最初にデリバリーされたのは日本でして、フランスよりも僅かに早いという異例の導入タイミングだったのですが、日本で好評をいただけたのはもちろん、その後に販売されたフランスを含むヨーロッパでも好評を博し、MTが主流のマーケットながら今や10%がEDCとなっているのです。

 フランス以外の国でのマーケティングが、逆にフランスでの販売に活かされた好例ですね。

 今回、念願叶ってカングー ジャンボリーに来ることができたわけですが、予想以上に収穫の多い視察になりました。今後の商品企画や開発に活かされることは間違いないでしょう。

 そしてなにより、ひとりの開発者に過ぎない私が、数え切れないほどのカングーファンに囲まれて、握手攻めや記念撮影攻めに遭ったのには驚くばかりです(笑)。パリに戻って同僚や部下にこのことを話しても、たぶん信じてくれないでしょうねぇ。

Phillippe Caillette(フィリップ・カイエット):1993年にルノーに入社し、主にディーゼルエンジンの開発に携わった後、99年よりブラジルのルノー・サウスアメリカにてエンジニアリング・マネージャーを務める。2001年にルノー本社に戻り、クリオ(日本名:ルーテシア)のプログラム・ダイレクターなどを経て、15年に現職であるLCV(ライトコマーシャルビークル───小型商用車)部門のプログラム・ダイレクターに就く。

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