HORIBA:「蛍光吸光分光装置DUETTA」を発売
MotorFan / 2018年9月2日 11時45分
HORIBAは、非破壊・非接触で、分析対象の物質の量や性質を解析する「蛍光吸光分光装置DUETTA」を9月上旬から国内向けに販売を開始する。
DUETTAは、蛍光分光光度計*1に吸光光度計*2の機能を搭載することで、蛍光分光光度計だけでは分析が困難な物質を、1台で効率的に分析・計測できる。さらに、設置面積が限られる小さなラボでも蛍光分光光度計を使用したいという顧客のニーズに応えるため、業界では最小クラスの設置面積・軽量化を実現した。
医薬品の分析や、蛍光プローブ*3・蛍光色素を用いるバイオ・ライフサイエンス分野、太陽電池やLED部材などの工業材料分野、鉱物、レアアースなどの希少資源材料分野を中心として、幅広い分野で材料分析に貢献していく。
本製品は、9月5日から7日まで開催のJASIS2018(幕張メッセ)に初出品する。
*1 蛍光分光光度計:
特定波長の光を物質に照射することで発生する、照射した光とは異なる波長の光(蛍光・りん光)を捉えることで、目的物質の有無や濃度、発光波長などの解析を行うことができる装置。
*2 吸光光度計:
特定波長の光を溶液試料に照射した際に透過する光の量を測定し、試料によって吸収された光の量(吸光度)を測定する装置。
*3 蛍光プローブ:
特定の分子と結合して強い発光を示す分子。がん細胞のみを選択的に発光させたり、生体組織を生きたまま観察するために用いる。
本製品は、ハイエンドな分光装置の開発で培った技術に、使いやすさを付加した蛍光分光光度計。蛍光分光光度計は、ライフサイエンス、エレクトロニクス、化学、農学や環境など、さまざまな分野で使用されており、たとえば、蛍光プローブを使用した生体組織やタンパク質の経時変化測定に代表されるような、リアルタイム観測への要求が高まっている。
また、例として蛍光分光光度計で濃度の高い試料を分析する場合は、吸光光度計で測定した吸光度も使用し、データを補正する必要があり、最適なデータを得るまでに時間がかかることが課題だった。これらの背景から、吸光光度計の機能と蛍光分光光度計を一体化することで、データを自動補正し、効率的な分析・計測ができるようにした。
1.蛍光分光光度計と吸光光度計が一体となった正確かつ高速な測定
通常の蛍光分光光度計に加え、吸光光度計の機能も搭載している。使用用途が広がるだけでなく、これらを組み合わせることで、内部遮蔽効果*4による影響を補正した正確な蛍光スペクトル*5が取得でき、物質を分析できる。
また、CCD検出器を搭載することにより、広い波長範囲を高速測定できる。
2.業界最小クラスの設置面積・軽量化を実現
蛍光分光光度計の業界他社製品と比べて装置設置面積2/3、重さ1/2と大幅な小型・軽量化を実現した。
(設置寸法(本体)43.18(W)×51.816(D)× 36.576(H) cm、重さ(本体)20.4 kg)
3.ユーザーフレンドリーな装置
蛍光分光光度計は、装置内部のわずかなズレが測定結果に影響を与えることがあるため、メンテナンスに専門のスタッフが必要だったが、消耗品のランプはカートリッジタイプになっていることなど、メンテナンス性にも優れ、ユーザー自身で簡単に交換できる。
また、業界では初めてのタッチスクリーンにも対応したシンプルなソフトウェア (EzSpec) によって簡単に測定操作ができる。
*4 内部遮蔽効果:
試料自体により発光が吸収される現象。高濃度試料の測定で大きな影響が表れ、定量測定の再現性に問題が生じる。
*5 蛍光スペクトル:
対象の物質に照射する光(励起光)の波長を固定して、蛍光強度を測定したもの。
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