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三菱 エクリプスクロス:力強さの点では満点! CVTならではの柔軟かつリニアな変速にも満足。

MotorFan / 2018年10月23日 20時35分

三菱 エクリプスクロス:力強さの点では満点! CVTならではの柔軟かつリニアな変速にも満足。

三菱自動車にとって久々の新車がエクリプスクロスだ。競争激しいSUVカテゴリーに三菱が満を持して投入したモデルだけに、完成度も高い。1.5ℓダウンサイジングターボエンジンと三菱得意のS-AWCシステム、個性的なスタイリングとライバルと互角に戦えるポテンシャルを持っている。このエクリプスクロスをジャーナリスト、世良耕太が試した。 TEXT & PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)


 エクリプスクロスは三菱自動車の久々の新型モデルなので、否が応でも期待は高まる。その久々の新型モデルを、人気絶賛沸騰中のコンパクトSUVのカテゴリーに投入してきたのは、商品戦略を考えれば当然のことだろう。せっかく新しいモデルを出すのだから、数が見込めるカテゴリーに投入したい、というわけだ。

 だが逆の見方をすれば、競争が激しいということでもある。トヨタC-HRがいて、マツダCX-3がいて、日産ジュークがいて、ホンダ・ヴェゼルがいてスバルXVがいる。どのモデルにもそれぞれ持ち味がある。エクリプスクロスは三菱ブランドならではの持ち味を打ち出すことができているだろうか。

 凡庸では埋もれてしまう。だから、ということなのだろうか。エクリプスクロスのエクステリアはなかなか個性的だ。メカメカしいし、ロボットがトランスフォームしたようでもある。力強さの点では満点で、そうしたイメージを求める層には刺さるルックスだろう。

3点式ストラットタワーバーで補強されたエンジンルーム

 パワートレーンはトレンドをそつなく取り入れた格好。過給ダウンサイジングのコンセプトで開発した1.5ℓ直列4気筒直噴ターボエンジンにCVTを組み合わせる。C-HRやヴェゼルやXVのような、ハイブリッドの設定はない。


 お手並み拝見のつもりで運転席に収まった途端、戸惑った。ステアリングホイールがだいぶ左にオフセットしているのだ。正対していないと落ち着かない人(つまり筆者)にとっては気になる部類に入るだろう。購入を検討するなら、実際に乗り込んで確かめるべきだ。そのうえで納得がいけば問題はない。

 エクリプスクロスの公式ホームページで「走行性能」のページを開くと、CVTの特徴が解説してある。いわく、「ステップシフト制御の採用により、CVTとは思えないダイレクトな加速フィーリングを実現。8速スポーツモードによるスポーティな走りが楽しめます」と。

 なぜ、そこまでCVTを悪者扱いするのだろうと、思ってしまう。CVTが悪で、ステップATが善のような表現だ。「事情があって悪者のCVTを使っていますが、できるだけATに近い制御にしていますので、お客さん、我慢してください」と訴えているようにも聞こえる。しかもATのようなステップを踏んだ変速を行なうのは、アクセルペダルを強く踏み込んだ際に限定される。


 今回の試乗では、都内(23区の西の端)から三浦半島の突端まで数十キロを普段どおりのスタイルでドライブした。その間、ステップシフト制御が顔を出したシーンは一度もなかった。じゃあ、スポーティな走りが楽しめなかったかというとそんなことはまったくなく、道中ずっと楽しかった。CVTならではの柔軟かつリニアな変速、万歳である。

 とにかく、力強さが際立ったパワートレーンだ。市街地走行では、発進から巡航スピードまでストレスなく到達するし、高速道路の流入でもそれは変わらない。ステップシフト制御が顔を出すほどアクセルペダルを深く踏み込まなくても、充分に力強く加速するということだ。高速道路で追い越しを仕かけるにあたっても同様。右足に軽く力を込めるだけで事足りる。100kmに満たない短いトリップではあったけれど、「ステップシフト制御なんて本当に必要?」というのが実感だった。CVTの良さをうまく引き出して制御しているのだから、そこまでCVTを卑下する必要はないのではないか、と感じた次第。

 CVTと組み合わせているからなのか、エンジンにも理由があるのか、そもそも1550kgの車重(試乗車はラインアップなかでもっとも重い4WD G Plus Package)が影響しているのか、ともかく原因を特定することはできないが、最新のパワートレーンを搭載している割に、燃費は物足りなかった(試乗時は12km/ℓ台だった)。このあたり、楽しさの対価として許容できるかどうか、燃費が良くて走りも楽しい競合がいるだけに難しいところだ。


 エクリプスクロス「4WD」の技術上のハイライトは、S-AWC(Super All Wheel Control)と名づけた車両運動統合制御システムである。クルマの挙動とドライバーの操作を各種センサーで検知することにより、操縦性と安定性を高める技術だ。おそらく、というか間違いなく、エクリプスクロスを安心して運転できた多くの割合をS-AWCが支えていたはずである(たとえ、機能したのはほんの一瞬であったとしても)。

 惜しむらくは、「あ、いまこの瞬間、気持ち良かったのはS-AWCが機能したおかげだ」と感じられない点で、ありがたみを実感しにくい。制御が洗練されている証拠でもあるのだが、もったいない気がしてならない。といって、わざとらしいインフォメーションを見せるなり感じさせるなりしたのでは無粋だし、どうしたもんだろう、と考えながらのドライブでもあった。

 そうか、意のままに操れる運動特性を視覚的に理解させるために、モビルスーツがトランスフォームしたようなスタイルをしているのか──。

モチーフは「アスリートがクラウチングスタートから走り出す瞬間」、「躍動、そして挑戦」というコンセプトを表現したデザイン
リヤゲート上部にはリヤワイパーが格納される
黄色矢印部を覗くとこうなっている

184cm/177cm/164cmの3人が実験。キャビンのユーティリティーチェック

ECLIPSE CROSS G Plus Package(4WD)
■ボディ寸法
全長×全幅×全高:4405×1805×1685mm
ホイールベース:2670mm
車両重量:1550kg
サスペンション:Fマクファーソンストラット/Rマルチリンク
駆動方式:フルタイム4WD(S-AWC)
■エンジン
形式:直噴MIVECインタークーラー付ターボ
エンジン型式:4B40
排気量:1498cc
最高出力:110ps(150kW)/5500rpm
最大トルク:240Nm
使用燃料:レギュラーガソリン
■トランスミッション
CVT(INVECS-Ⅲ 8速スポーツモード付)
■燃費
JO08モード燃費:14.0km/ℓ
車両価格:309万5280円

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