エムエス製作所:革新的な表面処理の新技術「MS PROCESSING」デビュー
MotorFan / 2019年8月20日 11時15分
エムエス製作所が岐阜大学との共同研究により、シリコン・ゴム・プラスチック製品用の金型の常識を変える表面処理の新技術「MS PROCESSING:エムエス・プロセッシング」を開発した。これまでにない“くっつきにくい金型”がモノづくりのロスを省き、生産性を向上させる。
シリコン、ゴム、プラスチックの成形用金型において"くっつきにくい” "はがしやすい”という型離れの良さは、非常に重要な要素である。型離れが悪いと、生産時間のロスを生むだけではなく、成型した部品や金型自体を損傷する原因にもなるからだ。自動車部品の金型メーカーであるエムエス製作所はこの「離型性(型離れ性)」に着目し、岐阜大学と共同研究を重ねてきた。そして、表面処理の最適解と言える条件を解明し、成形したゴムやプラスチック製品が金型に付着するのを防ぐ「エムエス・プロセッシング」という新技術の開発に成功した。
エムエス・プロセッシングは、表面処理を「クリーニング」と「ピーニング」の二段階に分けて行うイエプコ処理を最適条件の下で行うというもので、離型性はもちろん、摩耗による劣化も抑える効果ものぞめるため、コストと作業時間を同時に削減できる。また、金型の質が向上することで、製品のクオリティが高まることも望める。共同研究者である岐阜大学の上坂裕之教授も「成形品表面の粘着性を抑制する有用な技術だと思われる。引き続きメカニズムの解明を進める」と語り、今後の更なる技術力向上に意欲的だ。
「表面処理」は性能理論が確定しておらず、その存在が極端な過小評価になりがちであるが、素材の性能を極限までに高める重要な加工工程だと言える。また金型はあらゆるかたちの源であり、この新技術が日本の様々なモノづくりに新たな可能性をもたらすはずだ。
加工料金の目安は、150ミリ×150ミリ(平面)22,500平方メートル=15,000円。サイズ、数、形状に応じて相談ができ、素材に合わせた提案も可能である。
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