燃料電池大型トラックの走行実証を2022年春頃より開始 物流業務におけるCO2排出量削減に向け、水素燃料活用の可能性を検証
MotorFan / 2020年10月13日 16時5分
アサヒグループホールディングス、西濃運輸、NEXT Logistics Japan(NLJ)、ヤマト運輸、トヨタ自動車、日野自動車は、燃料電池大型トラック(FC大型トラック)の走行実証を行うことで合意した。これは、国内商用車全体のCO2排出量の約7割を占める(*1)大型トラック領域におけるCO2排出削減を目指したものだ。FC大型トラックはトヨタと日野が共同で開発し、アサヒグループ・NLJ、西濃運輸、ヤマト運輸、トヨタの5社が、2022年春頃から各社の物流業務で使用しながら走行実証を開始する予定だ。 *1:車両総重量3.5t超のトラック・バス、日野調べ(2020年9月末現在)
開始予定時期:2022年春頃
輸送内容・走行ルート案
アサヒビール茨城工場でビールや清涼飲料、アサヒビール平和島配送センターで洋酒やワインなどを積載し、NLJ相模原センターで荷下ろし、関西からの荷物を引き取って茨城工場に戻る
アサヒビール茨城工場(茨城県守谷市)→アサヒビール平和島配送センター(東京都大田区)→NLJ相模原センター(神奈川県相模原市)→アサヒビール茨城工場
東京支店から相模原支店宛、小田原支店宛の荷物の拠点間輸送を行う
東京支店(東京都江東区)→相模原支店(神奈川県相模原市)→小田原支店(神奈川県小田原市)→東京支店
羽田クロノゲートベース*と群馬ベース*間で集約された宅配便荷物等の拠点間輸送を行う
羽田クロノゲートベース(東京都大田区)⇔群馬ベース(群馬県前橋市)
(*ベース 荷物の仕分けおよび、幹線輸送の拠点として機能する施設)
愛知県内のトヨタの各工場とトヨタ飛島物流センターの拠点間で部品輸送を行う
トヨタの各工場(愛知県)⇔トヨタ飛島物流センター(名古屋港)
走行マップ
車両概要
幹線輸送に使われる大型トラックは、十分な航続距離と積載量、短時間での燃料供給が求められる。その電動化においては、エネルギー密度の高い水素を燃料とする燃料電池システムが有効であると考えており、今回開発するFC大型トラックは、航続距離の目標を約600kmとし、環境性能と商用車としての実用性の高次元での両立を目指しているという。
「走行実証に参加する各社は、地球環境問題を重要な経営課題のひとつとして位置付け、製造工程の省エネルギー化や物流業務での環境負荷の低減など、さまざまな活動を進めている。今後は、FC大型トラックの早期実用化に向けた取り組みを加速させ、持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えている」と発表した。
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