知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第165回 データ通信専用プランと「smash.」トッピング終了から見える「povo 2.0」の将来
マイナビニュース / 2024年4月1日 19時19分
飲み物・食べ物トッピングや海外ローミングの強化、データ通信専用プランの開始など、KDDIが密かに「povo 2.0」のサービス強化を進めている。だがpovo 2.0の今後を見据える上で重要なのは、むしろ終了を打ち出したサービスの方だろう。
○食べ物・飲み物とセットのトッピングも登場
基本料無料で利用でき、必要に応じてデータ通信量などを有料で追加する「トッピング」の仕組みが非常に特徴的な、KDDIのオンライン専用プラン「povo 2.0」。日本ではプリペイド方式によるモバイル通信サービスの数が非常に少ないだけあって、メイン回線としてだけでなく通信量が不足した時のサブ回線や、災害や通信障害が発生した時などの予備回線など、従来にない利活用がなされている。
かつてと比べれば注目度が下がっているpovo 2.0だが、その動向を追ってみると継続的に強化が図られていることが分かる。中でもここ最近注目を集めたのが、食べ物や飲み物とデータ通信量をセットにしたトッピングの登場だろう。
2023年12月にローソンの「からあげクン」と0.5GB/3日間のデータ通信をセットにしたトッピングを提供して以降、コンビニエンスストアや飲食チェーン店の商品と通信量をセットにしたトッピングを提供。その内容が非常にお得というだけでなく、povo 2.0は6カ月以上有料のトッピングを購入しないと自動的に解約されてしまうこともあり、「いま購入したいトッピングはないが、povo 2.0の回線は維持したい」というニーズにも合致し、注目されているようだ。
また2024年2月16日には、海外ローミングトッピングの充実が図られている。プリペイド方式に近いpovo 2.0では長らく海外ローミングで活用したいというニーズが多かったことから、その声に応える形で2023年から海外ローミングのトッピングを提供開始している。
そして今回の拡充によって、新たに欧州や中国、台湾などでよりお得に利用できる各地域限定のトッピングが提供開始されている。海外でお得に利用できる国や地域の拡大で、利便性が大きく高まったことは間違いない。
○povo 2.0の機能を外部に開放か
そしてもう1つ、新たなサービスとして2024年3月27日に打ち出されたのが「povo2.0 データ専用」である。
これは文字通り、povo 2.0のデータ通信専用プランであり、通常のプランにある音声通話やSMS、海外ローミングは利用できない。また対応するSIMもeSIMのみで、物理SIMの発行には対応していない。一時的にデータ通信を追加したいサブ回線向けのサービスといえるだろう。
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