Windows更新プログラム適用でMicrosoft Connected Cacheが利用不能に

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Microsoftは4月5日(米国時間)、「Windows 10, version 22H2｜Microsoft Learn」において、2024年1月の更新プログラム(KB5034203)またはそれ以降の更新プログラムを適用した場合、DHCPオプション235を使用してMicrosoft Connected Cache(MCC)ノードを検出する一部のWindowsデバイスはMCCノードを使用できなくなる可能性があると発表した。この影響を受けるデバイスはアップデートおよびアプリのダウンロードにローカルキャッシュを使用できないため、インターネットトラフィックの増加につながるとされる。

○「Microsoft Connected Cache」とは

「Microsoft Connected Cache(MCC)」は、Microsoftが配信するソフトウェア専用のキャッシュソリューション。このソリューションにはインターネットサービスプロバイダー向け製品と、エンタープライズおよび教育機関向け製品の2つがある。いずれの製品も配信ソフトウェアをキャッシュする機能を持ち、(外部への)ネットワークトラフィックを削減できるという(参考：「Microsoft Connected Cache overview - Windows Deployment | Microsoft Learn」)。

キャッシュの流れは上の概念図の4～6に該当する。MCCノード(上図ではCustomer On-Prem Device上のコンテナ)を使用できない場合は7の経路を使用して直接コンテンツデリバリーネットワーク(CDN: Content Delivery Network)からソフトウェアをダウンロードすることになる。

なお、MCCノードのIPアドレスおよびホスト名(FQDN)はDHCPのオプション235番を使用して配信することができる。詳細は「Delivery Optimization reference - Windows Deployment | Microsoft Learn」にて解説されている。
○不具合の内容と回避策

今回報告された問題は更新プログラムを適用した一部のWindowsデバイスがDHCPオプションの235番を使用できなくなる不具合。MCCノードの解決にDHCPオプション235を使用してるエンタープライズ環境において、影響を受けたデバイスはMCCノードを発見できなくなる。この不具合の影響を受ける可能性のあるプラットフォームは次のとおり。

Windows 10 バージョン21H2
Windows 10 バージョン22H2

Windowsサーバは影響を受けないとされる。また、家庭で利用されているWindowsはMCCを特別に構成している場合を除き影響を受けない。Microsoftはこの不具合の回避策として次の2つの方法を提示している。

回避策1: DOCacheHostポリシーを使用してMCCノードを解決する。さらに、DOCacheHostSourceポリシーを1に設定するか削除する。なお、これらポリシーのデフォルト値は「値なし」とされる
回避策2: Microsoftのサポートチャネル「Services Hub」にヘルプをリクエストする

Microsoftはこの不具合解決に向けて現在取り組み中と報告しており、今後のリリースでアップデートを提供する予定とのこと。
（後藤大地）