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西松建設が進めるトンネル工事の自動化・自律化に向けた取り組みとは

マイナビニュース / 2024年4月16日 7時32分

画像提供:マイナビニュース


建設業界は、慢性的な人手不足が深刻な中、2024年問題(年間の残業時間を960時間以内に抑える)への対応が求められている。この課題に対応するには、現場でのテクノロジー活用を通じて、作業品質の向上や生産性の改善に取り組む必要がある。

そんな中、4月12日、「現場DXを実現する最新技術の活用例」と題したセミナー(MODE主催)が開催され、西松建設 技術研究所 山本悟氏が、同社が取り組むトンネル工事における"現場DX"について説明した。

山岳トンネルの工事の掘削工法「NATM」とは

山本氏によれば、山岳トンネル工事においては、NATM(ナトム:New Austrian Tunneling Method)という方法で施工が行われているという。NATMは、「掘る」と「支える」という2つの工程を繰り返しながら、前に進んでいく工法。掘る工程では、先端の掘削面である切刃(キリハ)に80個くらいの穴を開けてダイナマイトを仕掛け、爆発させることで進んでいく。1回の爆発で1m程度掘れ、1日あたり4mほど進んでいくという。

掘った土砂(ズリ)は、ホイールローダーという重機械を使って、ダンプに積んだり、ベルトコンベアを使って搬出したりする。

支える工程では、1mごとに鉄の枠を置き、その間にコンクリートを吹き付けて安定させる。現場にバッチャープラントを建て、ここで製造したコンクリートを使って施工する。さらに、ロックボルトといわれる鉄の棒をトンネルの外周に刺し縫い付けるというような形でトンネルの安定を図っている。

次に、水の侵入を防ぐためにコンクリートの裏吹き付け面に防水シートを張り、防水シートに沿って出てくる水は足元に導水して、トンネルの中央にある管を通して排水する。最後に、テントルといわれるトンネルの形をした型枠を入れて、防水シートと型枠との間、約30cmにコンクリートを流し込むというのが「NATM」の大まかな手順だ。

山岳トンネル工事が抱える問題と対応

こうした山岳トンネル工事においては、次のような問題を抱えているという。

重機やタイナマイトによる騒音や振動・衝撃、コンクリートを吹き付ける際の粉じん
地下空間のためインターネットや携帯電話が利用できない
線状構造物のため工事の進行とともに機器を前に送る必要がある
大型特殊重機を使うため特殊な技能が必要で、重機同士の接触もある
高温多湿といった過酷な環境
人材不足

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