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広島大、純国産ゲノム編集ツールを高機能化し独自ツールを開発

マイナビニュース / 2024年4月18日 6時45分

このような状況に対して研究チームは今回、Fingerの数が少ないことで認識する塩基数が少なくなり、機能的なZFNの作製効率が低いことにつながっていると考察。そこで今回、Modular Assembly法を用いてFingerの数を倍にした「6-finger ZF-ND1」を開発し、認識する塩基数を多くすることにしたとする。その結果、作製された10個のZF-ND1の中で、2個のZF-ND1でゲノムDNA切断活性を確認、つまり、20%の確率で機能的なZFNを得ることに成功したという。

さらにZF-ND1の機能を高めるべく、次に構造モデリングの手法(AlphaFold、Rossetta、Cootによる分子モデリング)が採り入れられ、ZFとDNAの相互作用がモデリングされた。まず、DNAに結合する天然の3-finger ZFである「Zif268」のDNAとの相互作用のモデルとの比較が行われ、5個の変異導入候補が同定された。続いて、Zif268のDNA sugar-phosphate backboneと結合するアミノ酸との比較が行われ、4個の変異導入候補が同定された。合計9個の変異候補を1つ1つ機能的なZF-ND1に導入したところ、3個の変異でゲノムDNA切断活性の向上が見られたとする。「V109K」変異においては、5%の切断活性の向上が見られ、構造モデリングに基づく、ZF-ND1の高機能化が実現された。

高機能化したZF-ND1は、ex vivo(がん治療や再生医療用の細胞作り)/in vivo(生体内)ゲノム編集治療に用いることができるものと考えられるとする。広島大ではこれまでにも、「Platinum TALEN」というゲノム編集ツールを独自に作成し、基礎研究において活用してきたが、今回の高機能化したZF-ND1を活用することにより、高額なライセンス料を回避できるため、ゲノム編集の産業利用への一助となることが期待されるとしている。
(波留久泉)



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