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バイプレイヤーの泉 第129回 『虎に翼』岡部たかし、彼こそ高齢化社会の日本における中高年期待の星

マイナビニュース / 2024年4月19日 19時0分

岡部さんが出演した『鶴瓶の家族に乾杯』(NHK総合)でも話していたけれど、彼には長~い下積み生活がある。その間、1998年のドラマデビューから今日まで、約30年。時には役名のない時もあっただろう。それが『エルピス −希望、あるいは災い−』のブチ切れ演技で世間に見つかったわけだから、ブレイクとは何がトリガーになるのか分からない。

実は私も彼の存在が非常に気になって、昨年初頭に取材を申し込んだ。当時は私が初めてのインタビュアーだったと、岡部さんは言っていた。そんな視点も持ちつつ、改めて彼は何が魅力なのか考えてみる。

まずは一見すると、目のクマが物語る "ダメそう"、"クズっぽい"という雰囲気。あれは苦労したからこそ醸し出せるもので、普通の中年には安易に出せるものではない。そしてその雰囲気を逆手に取るように"可愛いおじさん"も持つこと。しゃべらせると一生懸命且つ、面白い人だとバラエティー班もそろそろ気づき始めている。総括すると彼はどこにいても"適温のおじさん"なれる人。熱そうでも、冷たそうでもない。でも時には沸騰する恐れのある俳優……というと、しっくり来るような。

あとは中年ブレイクであることは大きな魅力だ。途中、息切れしそうになったこともあっただろうに、ブレずに俳優を継続して日の目を見る……というストーリーには誰もが惹かれる。若いうちに大成して、大河ドラマの主役を張る魅力もあるけれど、大半の人は雲の上に存在に感じてしまう。でも岡部さんのように、実直さが実を結ぶパターンには多くの共感が集まる。彼こそ、暗い話題ばかりが続く高齢化社会の大きな星だ。

春ドラマでは『約束 ~16年目の真実~』(読売テレビ・日本テレビ系)にも出演中の岡部さん。2024年末が来るまでには、テレビ東京あたりで彼の主演ドラマを拝めそうな気がする。

小林久乃 こばやしひさの エッセイ、コラム、企画、編集、ライター、プロモーション業など。出版社勤務後に独立、現在は数多くのインターネットサイトや男性誌などでコラム連載しながら、単行本、書籍を数多く制作。自他ともに認める鋭く、常に斜め30度から見つめる観察力で、狙った獲物は逃がさず仕事につなげてきた。30代の怒涛の婚活模様を綴った「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」(KKベストセラーズ)を上梓後、「45センチの距離感」(WAVE出版)など著作増量中。静岡県浜松市出身。Twitter:@hisano_k この著者の記事一覧はこちら
(小林久乃)



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