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エンタープライズIT新潮流 第25回 マイクロソフトで学んだ「イケている製品」の作り方

マイナビニュース / 2024年4月22日 9時0分

画像提供:マイナビニュース

書籍も出ているのでご存じの方も多い「Value Proposition」。日本語では「価値提案」といわれますが、これは製品を新規に開発する際の重要な設計図になります。この価値提案によって、製品のポジショニング、ターゲットとなるペルソナ、訴求するメッセージ、および競合に対する差別化を明確にして、製品を開発すれば、競争力の高い製品が作れる可能性が高まります。

大事なことは、Value、つまり価値をターゲットのペルソナに、利用のシナリオごとにどう提供することかを決めることです。これがないと、単に「技術があったから作っちゃいました」という製品になって、後々販売に困ることになります。

筆者が以前働いていたマイクロソフトでは、この価値提案をポジショニングと呼んでいました。名前は異なりますが、同じ目的で使われます。今回は、筆者がマイクロソフトのプロダクトマネージャー時代に学んだポジショニングのやり方を解説します。外資IT企業を渡り歩きましたが、どのグローバル企業でも同じような仕組みで製品を作り、マーケティングを実行していました。
ポジショニングの重要性

ポジショニングは企業の製品やサービスの開発においても重要です。製品・サービスのポジショニングとは、どのターゲット顧客に、どのような価値訴求をして、競合他社ではなく自社のものを買っていただくかという位置付けになります。市場での製品やサービスの位置付けを考えるために必要であり、それを作成する枠組みが「ポジショニングフレームワーク」です。

これを知ったのはマイクロソフトでプロダクトマネージャーを担当していたときで、わざわざマーケティングの世界で有名なケロッグ経営大学院の教授が日本に来日して、マイクロソフトと共同開発したポジショニングフレームワークの講義をしてくれました。

そこで学んだコンセプトは、"てこ"の理論でした。ターゲットとなる顧客をてこの中心に置き、製品やサービスが提供する価値のてこの一方に、これを購入する際に生じるコストやリスクをもう一方に置きます。

価値がコストなどよりも大きければ、オーディエンスが買う方にてこが傾くというものでした。その価値で大切なのは、顧客視点での価値に加えて、競合を特定して、競合にない特長を明確にして、かつ、第三者によって証明されなければいけないというものでした。説明するときには、製品・サービスの機能を羅列する場合が多いと思いますが、決定的に他社と違うことを打ち出さす必要があります。一方的に説明しても、それは自慢話でしかなく、顧客には響きません。社外にある事実でそれを証明する必要があるということです。
ポジショニングフレームワークの作り方を紹介

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