1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

理研が全ゲノム解析で日本人の遺伝的起源と特徴を解明

マイナビニュース / 2024年4月19日 18時8分

画像提供:マイナビニュース

理化学研究所(理研)、静岡県立総合病院、静岡県立大学、東京大学(東大)の4者は4月18日、大規模な日本人の「全ゲノムシークエンス」(WGS)情報を分析し、日本人の祖先に関わる3つの源流(縄文系祖先、関西系祖先、東北系祖先)の起源を解明、さらに現生人類(ホモ・サピエンス)の最も近縁とされる旧人ネアンデルタール人やデニソワ人から受け継いだ遺伝子領域を特定したことを共同で発表した。

同成果は、理研 生命医科学研究センター ゲノム解析応用研究チームの寺尾知可史チームリーダー(静岡県立総合病院 臨床研究部 免疫研究部長/静岡県立大学 薬学部ゲノム病態解析講座 特任教授兼任)、同・劉暁渓研究員(現・上級研究員)/静岡県立総合病院 臨床研究部 研究員兼任、東大 医科学研究所附属 ヒトゲノム解析センター シークエンス技術開発分野の松田浩一特任教授らの共同研究チームによるもの。詳細は、米国科学振興協会が刊行する「Science」系のオープンアクセスジャーナル「Science Advances」に掲載された。

日本人集団を対象としたWGS研究は、規模が限定的だったことから研究チームは今回、バイオバンク・ジャパンにより全国7地域(北海道、東北、関東、中部、関西、九州、沖縄)の医療機関に登録された合計3256人分という大規模なWGSを実施してデータセット「Japanese Encyclopedia of Whole/Exome Sequencing Library(JEWEL)」を作成し、日本人特有の遺伝的特徴を解明することにしたという。

JEWELの最終データセットは、4558万6919個の一塩基バリアント(SNV)と、911万3420個のindel(ゲノム配列における塩基配列の挿入または欠失のどちらかあるいは両方)を含み、そのうち1541万953個(32.7%)がJEWELで新たに観察されたバリアントだったとする。

日本人の集団構造を理解するための解析が行われた結果、日本人口は3つの祖先(以下、K1、K2、K3)の混合によって最もよくモデル化できることが示唆されたという。K1、K2、K3はそれぞれ沖縄、東北、関西で最も高まる。K1(沖縄)成分は、南(沖縄に隣接する地域)を除く本土のサブグループで比較的安定した割合の約12%を維持し、南ではより高い割合の22%が示され、K2(東北)とK3(関西)成分は西から東北へ徐々に変化していくことが確認された。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください