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大河原克行のNewsInsight 第279回 サイボウズの「災害支援プログラム」、能登半島地震で語られたIT支援の実態

マイナビニュース / 2024年4月20日 9時0分

画像提供:マイナビニュース

2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震の発生からすでに100日を経過した。被災地では、依然として断水が続いているエリアがあり、避難所生活を余儀なくされている人たちも少なくない。

サイボウズでは、同社ソーシャルデザインラボ フェロー/災害支援チームの野水克也氏が奥能登地域(輪島市)の自宅で被災し、家屋が全壊。さらに、サイボウズ 社長室 災害支援チーム リーダーの柴田哲史氏が、新潟の実家に帰省中に、震度5弱の揺れを経験。その後、現地に留まり、サイボウズによる「災害支援プログラム」を通じたIT支援を行ってきた。

サイボウズでは、このほどその取り組みを説明した。同社では、「災害発生時には、普段であればなんでもないことが困難になる。地方のインフラになりきれないITの葛藤と困難があった」と課題を示した。

○地震発生直後の混乱、日々激しく変化する状況の中で

サイボウズの災害支援プログラムは、2019年から開始したもので、自然災害が発生した地域をITで支援することを目的にしている。

災害復旧や復興活動のために、サイボウズのすべてのクラウドサービスを約半年間に渡って無償で使用できる「災害支援ライセンス」、約20社のパートナーとの連携によって、各社サービスの優待提供や構築支援を提供する「災害支援パートナー」、被災地に対して、システム構築から端末手配、遠隔地からリモートでIT支援を行う「災害支援チーム」を用意。災害支援チームには、サイボウズの社員約40人が所属しているという。

行政や民間からのシステム構築支援要請を受けると、それに最適な既存システムを提案したり、支援に適したパートナーとのマッチングを行ったりといったことを行うほか、システムの運用支援も行う。

能登半島地震においても、これらの支援を行ったという。

「災害支援チームに対しては、これまでは都道府県の社会福祉協議会からの相談が多かったが、政府からの直接依頼もあり、災害支援フェーズが変わった」と位置づける。

サイボウズの野水克也氏は、「多くの災害地支援を行ってきたが、自分が被災したのは初めて」と前置きしながら、「古民家だけでなく、鉄筋建造物も全壊し、2分後には断水となった。あたり一面が瓦礫の山となり、主要道路は寸断され、あっという間に陸の孤島になってしまった」と被害の大きさを語る。地震発生直後には停電となり、通信キャリアによってはネットワークが即時不通になったという。

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