都立大、安全を意識しすぎる障害物回避が柔軟性を低下させる可能性を確認
マイナビニュース / 2024年4月22日 17時19分
UCM解析は、複数回の試行から得られる関節角度の分散を、動作の目的となるつま先の高さに影響を与える分散(VORT)と、影響与えない分散(VUCM)の2つに分解する。つまり、VUCMが大きい=さまざまなパターンの動きを柔軟に活用していると捉えることができ、VORTが大きい=動作の正確性が低いと捉えられるという。実際には、これら2つの分散から「シナジーインデックス(ΔV)」が算出され、評価が行われた。なおシナジーインデックスとは、UCM解析から得られる関節間の連動性を示す値のことを指す。
シナジーインデックスが段差またぎ動作時に算出されたところ、高齢者は若齢者と比較して低下していることが判明。この結果から、高齢者は段差またぎ時に動きの柔軟性が低下していることが示唆された。さらに、年齢に関わらず、段差をまたぐ際の下肢の挙上高とシナジーインデックスが負の相関関係にあることも明らかにされた。この結果は、安全を意識した保守的な方略を採る人ほど、動きの柔軟性が低下していることが示されたとする。
足を高く上げることは、一見すると段差との衝突リスクを低下させる適応的な方略とも考えられるが、こうした方略を採るにも関わらず、段差またぎ場面でつまずくケースや転倒するケースが少なくない。今回の研究成果により、この矛盾の背景として、安全性を意識しすぎることが、動きの柔軟性の低さにつながっている可能性が示唆された。安全な段差またぎ動作は、いつも同じ動きでは実現できない。常に不意の変化に対応できる姿勢を取る必要があるという。なお、日常的に同じ動きを繰り返すことは、結果的に柔軟性を低下させる一因となる可能性もあるとしている。また今回の研究成果は、柔軟性低下から脱却するリハビリテーション方法の開発につながることも期待されるとしている。
(波留久泉)
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