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TSMCが2024年半導体業界全体の見通しを下方修正、自社の通年業績見通しは据え置き

マイナビニュース / 2024年4月22日 16時27分

画像提供:マイナビニュース

TSMCは4月18日に2024年第1四半期決算説明会を開催、C.C.Wei CEOが、同社の2024年の業績見通しは従来通り(21〜25%程度成長)としながらも、2024年の半導体業界全体の成長率およびファウンドリ業界全体の成長率予測を下方修正する発言をした。これにより証券市場に動揺が走り、半導体関連株が全般的に下落することとなった。

Wei氏は決算説明会で、以下の4点についての説明を行った。

2024年半導体市場全体の見通し
TSMCのAI関連事業の将来展望
TSMCの海外進出状況
2nmプロセスの量産に向けた状況

2024年半導体市場成長見通しを下方修正

2024年についてTSMCでは、マクロ経済および地政学的な不確実性が継続しており、消費者心理と最終製品市場の需要が冷え込む可能性があることから、メモリを除く半導体市場も全体的に従来予測よりも穏やかで緩やかな回復になることが予想されるという。

具体的には、メモリを除く2024年の半導体市場全体の見通しを、従来の前年比10%以上増の予測から、新たに前年比約10%増とわずかだが下方修正した。またファウンドリ業界全体の見通しも、以前の20%増から10%半ばから後半へと下方修正した。どちらも在庫が急増しているためだが、その中にあってもTSMCは先端プロセス需要を背景に健全な成長を維持できる見通しを示しており、通年の売上高成長率がドルベースで同20%前半から半ばとなるとのこれまでの予測を維持している。
AI半導体はCAGR50%で成長

AIの進化に伴い、より高性能は半導体が求められるようになっており、それを実現する最先端プロセスが求められている。先端プロセスおよびパッケージング技術を提供できるTSMCに対するそうした顧客からの需要は高く、同社はほぼすべてのAIイノベーターと協力関係にあることを強調している。こうした背景から、2024年におけるAIサーバプロセッサからの収益貢献度は前年比2倍以上と見込まれ、2024年通年の売上高の10%前半を占める規模と予測している。

またAI半導体(主にプロセッサ)は、今後5年間の年平均成長率(CAGR)が50%と見込まれ、2028年までにTSMCの収益全体の20%以上を占める規模に成長することも予想。AIサーバプロセッサが同社のHPCセグメントのもっとも強力な牽引力となると予想しており、この押し上げこそが、半導体業界全体と比べて高い成長率を維持できる根拠となるとしている。

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