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巨大宇宙船「スターシップ」がさらに進化! イーロン・マスクが明かしたその姿

マイナビニュース / 2024年4月23日 6時35分

スーパー・ヘヴィは、スターシップ宇宙船と分離したあと、発射台に向かって飛行して着陸する。ただ、直接地面に降り立つのではなく、発射台の近くでホバリングし、発射塔に取り付けられた「メカジラ(Mechazilla)」という大きなロボット・アームによって、挟まれるようにして捕獲され、着陸するという仕組みをしている。これにより、スーパー・ヘヴィに着陸脚が不要になり、また着陸時の衝撃に耐えるための頑丈な構造も不要になることから、ロケットの性能向上が見込める。

これまでは試験のため、発射台までは戻らず、メキシコ湾上を着陸場所と見立てて着陸(着水)するように飛行させていた。ただ、IFT-3では着陸の直前に制御が失われるなど、これまでの飛行試験で着陸まで成功した例はない。IFT-4で初の成功を収め、そしてIFT-5へつなげられるかが見どころとなろう。

マスク氏は「今年中に、メカジラの腕でブースターを捕まえることができる確率は、おそらく80~90%だろう」と語った。

また、スターシップ宇宙船も同じようにメカジラで捕まえられ、着陸することになっている。マスク氏によると、スターシップ宇宙船を発射台に着陸させるには、2回の洋上へのピンポイント着水による実証が必要とし、「実際に発射台への着陸が行えるようになるのは、おそらく来年だろう」と語った。

スターシップ2、そして3へ

そして、講演における最大の話題が、新しいスターシップについての発表だった。

マスク氏が「スターシップ2」として発表した機体は、スーパー・ヘヴィの全長が1.3m伸び、スターシップ宇宙船も3.1mも伸び、全体の全長は121.3mから124.4mへと伸びている。

これにより、推進薬の搭載量が増え、またエンジンも従来のものから改良した「ラプター3」を使うことで、性能向上を見込んでいる。

現行のラプター2エンジンは海面上推力が最大230tfだったが、ラプター3では280tfに増加する。マスク氏はまた、「最終的には330tf以上にしたい」とした。さらに、ラプター3には耐熱シールドを兼ねた冷却機能があり、スーパー・ヘヴィの下部にあった耐熱シールドが不要になっている。

くわえて、スターシップ宇宙船の前部にある空力フィンの形状が変わっているほか、分離部分も改良され、さらにスーパー・ヘヴィについているグリッド・フィンも改良されている。

スターシップの打ち上げ能力はよく「低軌道に100t以上」と説明されるが、マスク氏によると、現行型の性能は、回収する場合で約50t、使い捨てる場合で約100tだという。しかしスターシップ2が完成すれば、回収する場合でも100tの打ち上げ能力を発揮できるという。

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