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持ち運べる電子レンジ「WILLCOOK」誕生秘話 “発熱する布”との出会いは偶然だった

マイナビニュース / 2024年4月26日 22時30分

発熱する布との出会いは偶然だった

このように理想的な素材のEXFIBERSを開発したのは、東京都江戸川区にある三機コンシスという空調メーカー。WILLTEXと三機コンシスとの出会いは、まったくの偶然だったそうです。

WILLTEXでCTOを務める上田彩花さんが、寒さをしのぐための“発熱する服”を開発すべく素材探しに苦労している時、知り合いのヒーターメーカーの社長に相談したところ、「面白い技術を持つ会社がある」と教えてもらったのが三機コンシスでした。

「三機コンシスさんを訪れると、まさに私が理想と考える素材が目の前にあって驚きました。それまで、このような素材がないかネットなどでひたすら探していたのですが、三機コンシスはまったくヒットしませんでした。当時、三機コンシスはホームページで情報を出していなかったので、当然ながら検索に引っかからなかったんですね。偶然の出会いながら縁を感じました」

上田さんからの報告を受けた木村社長と改めて三機コンシスを訪れたところ、木村社長はEXFIBERSの完成度に衝撃を受けたといいます。「僕は実物を見て触って感動しましたね。これはいけるぞと。しかし、三機コンシスさんはEXFIBERSほどの素晴らしいものを製品化できているのに、まったく事業化できていないというんです。研究開発力や技術力はものすごいのに、実にもったいない。まさに『下町ロケット』を地で行くような会社なんです。なので、僕が会社を作って、EXFIBERSを用いた製品を作ることにしました」
有名ファッションブランドも注目する存在に

長年、繊維業界を歩んできた木村社長。コロナ禍で衣類が売れなくなったアパレル会社からの注文がなくなり、「みずから製品を作る会社でないと生き残れない」と一念発起したのもWILLTEX創業のきっかけでした。「WILLCOOKは火を使わず、CO2を排出せず、歩いているときでもベッドの上でも食べ物や飲み物が温められるのが、これまでの調理器具にはない特徴。温度は人の心を動かす」と、WILLCOOKシリーズに自信を見せます。

CESでの受賞を受けて、有名なアパレルブランドからの引き合いも急増しています。5月にフランス・パリで開かれるテクノロジーの展示会「ビバ・テクノロジー」では、ルイ・ヴィトンなどのハイブランドを手がけるLVMHから「うちのブースに出展してほしい」とオファーがあったそう。木村社長は「近い将来、ファッションに温度という付加価値が加わることになる」と期待を寄せます。

EXFIBERSを採用した製品は、個人向け製品以外にも展開します。「道路上で保守業務を担当する人が使うヒーター内蔵ウエアは“布しか装着してはいけない”という制約があります。万が一、クルマなどとぶつかった際、金属を用いたヒーターはそれらの部品が体に刺さってしまう危険性があるからです。そのような用途には、布しか使わないEXFIBERSが最適解となるんです」と、木村社長は幅広いジャンルへの展開に意気込みを見せます。

Makuakeでは、トートバッグ&リュック型の最新モデル「WILLCOOK PACKABLE」のプロジェクトが行われており、すでに2500万円超の支援を集めています。プロジェクトは4月29日までなので、ふだん使いしつつ万が一の防災用途を見込んだ備えとして、気になる人はチェックしてみてください。
(磯修)



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