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東大学食「食堂コマニ」になぜ人が集まる? あえて高級食材を使うワケとは

マイナビニュース / 2024年5月29日 11時5分

素材本来の旨みを引き立てるため、調理法はあえてシンプルに。また、食品の鮮度を保つ急速冷凍機や、油の吸収を抑えながらカラっと揚げるフライヤーなど、厨房設備に先端技術を取り入れ素材のおいしさを最大限引き出している。

そのほか、食材や調味料の名前、生産者、作り方が記されたリーフレットを各テーブルに置く取り組みなど、"食材の原点"と一緒においしさを届けるのがこだわりだ。
"母の味"を目指した学食

そんな厳選食材で作るのは、フレンチ料理でも懐石料理でもなく、『母の味』。まるで母親が子どものために作るような、おいしくて健康を気遣った料理を提供している。

「お母さんが愛情たっぷりに作ってくれたようなごはんで、しょんぼりしてた人が元気になる、そんな学食にしたかったんです」と玉田氏は胸の内を語る。

学食メニューは、名物料理のおむすび(250円~)をはじめ、定食などが用意されている。筆者も「無添加さば定食」(1,000円)を食べたが、素材の味を活かした素朴な味わいに体も心もほっこり。

個人的なお気に入りは、定食に+250円で変更できる豚汁だ。にんじんやじゃがいも、豚肉など大きな具がたっぷり入った一品は、野菜の旨みと味噌のやさしい甘さをダイレクトに楽しめる。

日頃ファストフードばかり食べる筆者にとって、日々の不摂生を帳消しにしてくれそうなスーパーフードだった。

取材時出会ったフランス人研究者は、「よくこの食堂を訪れます。日本の食材を使ったおいしい料理を食べると元気がでます。体も心もリフレッシュされます」と語った。日本人はもちろんのこと、外国人にも"日本のお母さんの味"はしっかり伝わっているようだ。
人と人が"つながる"仕掛け

食堂コマニがある東大の生研は、100を超える研究室を擁しており、国内外から1,000人を超える研究者たちが集まる。だが、相互にコミュニケーションをとる機会は決して多くはなかったという。そこで食堂コマニは、コミュニケーションを促す仕掛けを施した。

ポイント1つ目は"空間"。設計は、東京大学生産技術研究所准教授であり建築家の川添善行氏が担当した。24名席の大きなセンターテーブルや座敷席、研究内容を一覧できるIISライブラリーなど、コミュニケーションが自然的に発生するよう造られた。

2つ目は多種多様なイベント。お昼休みには不定期で生研の教員が約10分で研究内容を伝える無料イベント「はし休めプチトーク」を開催しており、日本を支える研究のイマを手軽に知ることができる。

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