ソニーセミコンダクタソリューションズ、熊本県にイメージセンサー新工場建設を決定
マイナビニュース / 2024年5月31日 17時1分
「戦略事業領域」においては、車載用イメージセンサーやシステムソリューション、OLEDマイクロディスプレイ、半導体レーザーで構成する。事業のスケール拡大や収益化には一定の時間を要するが、将来のビジネスの柱に育てるべく、戦略的に投資をしていく領域に位置づけた。
車載用イメージセンサーでは、「今後生産されるクルマに搭載されるカメラの数が増加し、スマホと同じように多眼化が進む。クルマそのものの販売台数は緩やかな上昇だが、車載カメラの数量伸長は6倍以上に伸びると想定しており、これがセンサー事業の成長機会に直結する」と指摘した。現在のクルマでは、1台あたり8個のカメラが搭載されているが、2027年には12個のカメラが搭載されると想定している。
自動運転の高度化により、フロントセンシングでは長距離を認識するニーズが高まり、小画素化や多画素化が進展。LEDフリッカー抑制(LFM)を実現しながら、HDRを実現していくことが求められるほか、ビューイングとセンシングをひとつのセンサーで実現したいというニーズへの対応が重要なポイントになるという。
「この領域においても差異化技術の開発を進める。これにより、今後の競争を勝ち切れる」と自信をみせた。
2026年度には、車載用イメージセンサー市場において、金額シェアで43%(2023年度は32%)を目指しており、2026年度までに車載向けイメージセンサー単独で黒字化させる計画だ。
イメージセンサー以外の領域にも注力
HDDの記録方式として注目されているHAMRに対応した半導体レーザーにも力を注ぐ。この分野で製品化を進めているSeagate Technologyとの協業を進めており、ソニーセミコンダクタソリューションズでは、HAMR対応の半導体レーザーを世界に先駆けて量産化することに成功した。
生成AIの活用やクラウド化の進展により、データセンター需要が増大するなかで、今後は30TB以上の大容量HDDに対するニーズが拡大すると想定されており、HAMRへの関心が高まるにつれて、同社の半導体レーザービジネスが拡大すると見ている。
「情熱を持ったエンジニアが長い時間をかけて、コスト競争力があるものを作り上げた。2030年には数100億円レベルの利益を確保したい」と述べた。
OLEDマイクロディスプレイでは、エレクトリックビューファインダーによる既存市場から、VR/AR市場へとシフトし、ヘッドマウントディスプレイやARグラスへの採用が進むと予測している。
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