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労働⼈⼝激減の時代だからこそ究極の属⼈化 第1回 なぜ、「究極の属人化」が必要だと考えるのか

マイナビニュース / 2024年6月13日 7時0分

筆者がバイオベンチャーに勤務していた際、人材の活躍に意外な驚きがありました。その企業は、東大や京大出身の優秀な研究者が多い組織でした。事業側のマネジメント層にも高学歴で有名メーカー出身の営業部長など経験のあるベテランが中途入社するのですが、活躍できぬまま数カ月で辞めてしまう事態が起きていました。

筆者の入社当初30人ほどだったこの企業はそれから2年で120人ほどに急成長するのですが、その立役者は学歴で言えば非有名大学出身者。しかも門外漢であるはずのアパレル業界出身のメンバー達でした。あっという間に売上を伸ばし、事業に大貢献したのです。

ここで学んだのは
・優秀の定義は組織によって違い、履歴書や職務経歴書で一般的に優秀と言われる人が必ずしもそうとは限らない
・非認知的なマッチングも必要
ということでした。

「ものを売る喜び」が原動力であったアパレル経験者。彼らはバイオに精通した理系でもなければ、一般的に優秀とされている大学を出ているわけでもありませんでした。法人企画営業として難しいバイオ食品素材を扱っていましたが、自分達の使命に対して自分に「無いものを足し」「あるものを高める」ことでコミットしました。

ここでいう「無いもの」とは理系の知識です。「あるもの」とはコミュニケーション力と、物を売る喜びを叶えるためにさまざまな状況に柔軟に対応し、失敗を恐れず、決めつけることなく相手が心から欲しいと思うまで伴走し行動を起こし続ける能力でした。

このような意外な能力マッチングを、テクノロジーが発掘し人間に提案することができるでしょうか。このような活躍をテクノロジーでどうやって予測するのでしょうか。残念ながら、現在のところ最適な解答は存在しません。パターン化した判断基準ではこのマッチングは予測できません。

だからこそ、テクノロジーの力を活用して出会いを最大限創出し、最終的に人間が五感(ときに第六感)も活用して見極め、マッチングしていくしかないのです。私たちが生きる中で味わう喜びや苦しみ、時に傷つくような生の経験を通して磨かれる、人間だからこそ持ち合わせる固有の能力や感覚、これこそが筆者の伝えたい「属人性」であり、採用成功・転職成功を導くものだと考えています。

佐藤 友美 さとう ともみ 神戸女学院大学卒業後、リクルート創業者の江副浩正氏が創業したスペースデザインに入社し薫陶を受ける。その後バイオベンチャーにてマザーズ上場、アパレルブランドの立ち上げを経て出産を機に約10年間専業主婦。娘の小中受験を経験し、18年リクルートHDでエグゼクティブヘッドハンターに。HRへキャリアを転じ、22年WiLへ参画して100%子会社のTBAでHRディレクター。投資先スタートアップ企業の人材支援を担う。 この著者の記事一覧はこちら
(佐藤 友美)



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