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映画監督と会社員の「二刀流」 業界の常識に染まらない穐山茉由氏が語る“今どき”クリエイター論

マイナビニュース / 2024年6月10日 6時0分

今年1月クールには、連続テレビドラマを初体験。映画と違い、台本と並行して撮影が進むことで結末が見えない中での作品作り、複数の監督が演出する中でのカラーのすり合わせ、視聴者の反響を目にしながらの調整など、新たな経験を積んだ。

「テレビドラマの良さって、約2時間尺の映画では掘り下げられない部分も描けるし、登場人物の新しい一面など、それだけでも1シーンが撮れてしまう贅沢さが挙げられると思います。他にもいろいろありますが、これからも積極的に関わっていけたらうれしいですね」

●映像制作集団「g」が目指す“物語”への回帰
穐山氏が所属した「g」は、重松氏がテレビ局やプロダクションなどの“行政”によって、自由にものづくりができない状況に直面した経験があり、「もっとクリエイターがやりたいことをやらないと日本のエンタテインメントはダメになる。忖度やコンプライアンスなど時代が変わってきている中で、グローバルの視点で日本のエンタメを考えて作った」(重松氏)映像制作集団だ。

深刻な問題として捉えるのは、クリエイターのギャラの安さだ。先日、岸田文雄首相が「アニメやゲームを日本のコンテンツとして力を入れる」と発表したが、これに対して、「クールジャパンの時のようにハコモノを作るより、まずはアニメーターのギャラの安さを解決すべき」といったコメントが多くあがった。これは実写業界でも同じだ。

だが日本では、「ギャラを上げてほしい」と申し出ると「金、金、金か」「銭ゲバだ」などと言われてしまう悪しき習慣がある。一方、ハリウッドでは、本人ではなくエージェントがしっかりと値段交渉し、脚本家がビバリーヒルズに豪邸を構えている。そのエージェントとして「g」が作られた経緯もある。

先日、俳優の鈴木亮平が『だれかtoなかい』(フジテレビ)に出演した際、「日本の映像界は韓国から20年くらい差を開けられた」と発言し、物議を醸した。日本のゴールデン・プライム帯ドラマの制作費が1話3,000万円前後である一方、韓国ドラマの主役級のギャランティはは1~2億円とも言われている。

「これでは新たな才能が業界に入ってこない。つまり業界自体が衰退してしまう。確かに韓国は世界で戦うために国に働きかけるなどしてその予算をつけた。日本だけで回そうとしたらその規模感になるのは仕方ない」と重松氏が現状を捉えるように、ただでさえ諸外国に追いつけない状況で、将来を担うZ世代を育てなければならない今、“情熱”だけでなかなか人は集まらないのだ。

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