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映画監督と会社員の「二刀流」 業界の常識に染まらない穐山茉由氏が語る“今どき”クリエイター論

マイナビニュース / 2024年6月10日 6時0分

それでも、重松氏は力強く語る。

「僕は予算だけで負けているとは思っていない。最初に“物語”があるべきだと思っています。韓流ドラマも好きな俳優はたくさんいますが、どちらかといえば“物語”で面白いと思うんです。日本は一回、“物語”に回帰すべきではないでしょうか。そのために脚本家と演出家を集め、いい“物語”を作りたい。それを世界へ持っていきたいと思い『g』を作りました。そして穐山さんにオファーしたのは、先ほど言った多様性を持っているから。つまり穐山さんにお願いしたことが『g』の意思表明のようなものなのです」(重松氏)

たしかに、洋画のポスターを見ると“物語”を思わせるものが多いところ、邦画のポスターは出ている俳優陣を並べた“ブロッコリー状”になっている。筆者もドラマ制作会社に企画を出すことがあるが、キャストの“人気”が相当重視される。

それが悪いと言っているのではない。一度、“物語”という原点に回帰すること。穐山氏のような慣例にとらわれない“ユーザーの感覚”を持ったクリエイターを育てていくこと。そして十分な金額を払うこと。これらが今後、日本の映像界の課題になるのではないか。

●穐山茉由ファッション業界で会社員として働きながら、映画美学校で映画制作を学ぶ。修了制作作品『ギャルソンヌ -2つの性を持つ女-』が第11回 田辺・弁慶映画祭 2017に入選。長編デビュー作『月極オトコトモダチ』が第31回東京国際映画祭に出品され、MOOSIC LAB 2018では長編部門グランプリほか4冠を受賞。2019年新藤兼人賞に最終ノミネート。2作目のオリジナル長編『シノノメ色の週末』では第31回日本映画批評家大賞 新人監督賞を受賞した。23年には映画『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』が公開。24年1月クールのドラマ『春になったら』(カンテレ・フジテレビ系)で、連ドラ演出に初挑戦した。

衣輪晋一 きぬわ しんいち メディア研究家。インドネシアでボランティア後に帰国。雑誌「TVガイド」「メンズナックル」など、「マイナビニュース」「ORICON NEWS」「週刊女性PRIME」など、カンテレ公式HP、メルマガ「JEN」、書籍「見てしまった人の怖い話」「さすがといわせる東京選抜グルメ2014」「アジアのいかしたTシャツ」(ネタ提供)、制作会社でのドラマ企画アドバイザーなど幅広く活動中。 この著者の記事一覧はこちら
(衣輪晋一)



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