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キンプリのApple Music配信は“音”が違う? ユニバーサル新スタジオで最新立体音響を体験

マイナビニュース / 2024年6月10日 11時0分

音楽スタジオはスタジオごとに機材環境が異なり、同じ音源データでも低音の響き具合など聴こえ方が多少異なるのが一般的。しかし、この新スタジオはスタジオ内の15本のスピーカーや音響調整を米国のキャピトルスタジオに合わせ、同じ周波数特性を実現しているのが特徴だ。

また、収録した音源データをクオリティを保ったまま、日本と米国でほぼリアルタイムに送り合える通信技術も導入されており、日米のアーティストや音楽プロデューサーが互いのスタジオで“同じ音”を聴きながら楽曲制作を進めることができるという。昨今は日本のアーティストが海外のアーティストやプロデューサーと組んで海外進出することも増えているため、それをサポートすべくこのような環境が構築されたそうだ。

たとえば、海外で制作されたオケ(ボーカル以外の楽器で演奏された音源)をもとに日本でボーカル録音を行い、録ったばかりの歌声を乗せた楽曲を日米で同時に聴きながら、細かな調整をビデオ会議しながら詰めていく、といったことが可能になる。大勢のスタッフを引き連れて海外レコーディングに行く必要がなく、日本にいながら海外のクリエイターたちと共同作業ができるようになるのだ。技術の進化がアーティストの創作の幅を広げる好例といえよう。

立体音響化の波に対応する制作環境を日本にも

また、海外基準の音響設計やリアルタイム通信だけでなく、日本の新スタジオにはもうひとつ大きな特徴がある。それが最新の立体音響技術であるドルビーアトモスに対応した音楽スタジオである、という点だ。

近年ドルビーアトモスに対応した楽曲制作の流れが加速しており、米ビルボードの2023年の年間ヒットチャート上位100曲のうち、85%がドルビーアトモスに対応しているそうだ。アメリカではすでに新曲だけでなく、過去のヒット曲などもドルビーアトモス用に新たにミキシングされ直され、ストリーミング配信などで気軽に聴けるようになっている。

一方、日本はまだ対応率が35%程度となっており、海外に比べ普及が遅れている。日本ではCDがまだ根強く支持されているなど、音楽市場をとりまく日米の環境の違いといった理由もあるのだろう。

そもそも、立体音響に対応した楽曲を制作するためには、いままでの音楽スタジオと何が違ってくるのか?

一般的な楽曲は、左右2チャンネルのスピーカーもしくはイヤホンやヘッドホンで聴かれることを想定したステレオ音声になっており、制作スタジオのスピーカーも左右のふたつあれば十分だった。一方で立体音響は左右に加え、前後・上方などにもスピーカーがあることを想定しており、ユニバーサルの新スタジオでは最大9.1.4chの立体音響に対応した計15本(フロント×3、サイド×4、リア×2、天井×4、サブウーファー×2)のスピーカーによる再生環境を備えている。これにより360度に自由に音を配置でき、立体音響に対応した楽曲の制作も可能になる。

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