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大河原克行のNewsInsight 第295回 中期経営計画を下方修正した三菱電機、事業成長へ投資分野を見極める内訳

マイナビニュース / 2024年6月10日 16時59分

今回の説明会では、デジタル基盤である「Serendie(セレンディ)」を、新たに発表したことが注目された。

三菱電機が打ち出している「循環型デジタル・エンジニアリング企業」を実現するための新たなデジタル基盤と位置づけており、データ活用ソリューション事業、データ収集コンポーネント事業を、「Serendie関連事業」と位置づけ、これら事業で、2030年度には売上高1兆1000億円(2023年度実績で6400億円)、営業利益率23%(同16%)に拡大する計画を打ち出した。

三菱電機の漆間社長 CEOは、「Serendieは、新たな価値の持続的な創出を実現することになる。Serendie関連事業は、三菱電機の収益の柱になる」と意気込みを語った。

三菱電機では、事業本部ごとに、それぞれの業界に最適化したプラットフォームやシステムを構築。電力機器ではBLEnDer、昇降機やビル管理システムではVille-feuille、空調機器や家電、住設機器ではLinovaを展開しており、それぞれにデータ連携が難しい環境にあった。

Serendieでは、WebAPI連携基盤を提供することで、事業領域をまたがったデータの集約、分析が可能になり、データ収集コンポーネントとデジタル基盤を活用し、事業本部を超えてデータ活用ソリューションを開発していくことになる。

具体的には、「データ収集コンポーネント事業」では、顧客に導入したシーケンサやCNC(Computerized Numerical Controller)などのコンポーネントから、データを収集し、通信する機能を提供。さらに、「データ活用ソリューション事業」によって、これらのデータを利用して、統合ソリューションや遠隔監視サービス、保守サービスなどで活用する。すでに、E&F(エナジー&ファシリティ)ソリューション、加工機・数値制御装置リモートサービス、昇降機遠隔監視・保守サービスなどを提供している。さらにSerendieを通じて事業本部の枠を超えたデータ活用ソリューションを提案。ビルと空調、電力の組み合わせにより、快適空間や安全安心、ロボット配送を組み合わせたスマートビルソリューションを実現したり、FAと電力の組み合わせでは、カーボンニュートラルやSCMの最適化による工場向けソリューションの提供を想定したりしている。

なお、Serendieの名称は、「偶然の巡り合いがもたらすひらめき」を意味するSerendipityと、三菱電機がありたい姿として掲げている「循環型 デジタル・エンジニアリング企業」のDigital Engineeringを掛け合わせた造語であり、異なる領域の機器やシステム、データ同士の新たなめぐり逢い、脈々と培ってきた技術と限りない創造力により、顧客と社会に新しい価値を生み出し、活力とゆとりある社会の実現に貢献するものになるとしている。

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