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大河原克行のNewsInsight 第295回 中期経営計画を下方修正した三菱電機、事業成長へ投資分野を見極める内訳

マイナビニュース / 2024年6月10日 16時59分

また、三菱電機では、現在、6500人のDX人材を、2030年度には2万人に拡大する計画も明らかにした。

漆間社長 CEOは、「Serendie関連事業の目標達成に向けては、DX人材の確保が最も重要である」と前置きし、「組み込みソフトウェア開発に携わってきた人材や、インフラおよび金融システムなどの大規模システム開発に携わってきたIT技術者のリスキリングを進めるほか、積極的な新規採用やM&Aによる拡充も進める」とした。目標とする2万人のうち、約7割がリスキングによる育成を想定している。

品質風土、組織風土、ガバナンス改革の3つの改革

さらに、人材戦略については、「人財こそが事業の基盤であり、競争力の源泉である」(三菱電機の漆間社長 CEO)とし、人材マネジメントの強化、DE&Iの推進を通じた人的資本の価値最大化を推進。年功的要素を廃したジョブ型人材マネジメントへと転換し、若手優秀層の早期抜擢などを加速するという。経営層に占める女性および外国人割合は2030年度には30%(2023年度実績は15%)に拡大。女性管理職比率は12%(同3.6%)に高める。

一方、サステナビリティに対しては、社会および環境を豊かにしながら、事業を発展させる「トレード・オン」の活動を加速。2024年4月に、サステナビリティ・イノベーション本部を設置して、全社横断の活動を推進しながら、ネイチャーポジティブのフロントランナーを目指す方針も打ち出した。

オープンイノベーションの取り組みでは、サステナビリティやデジタル、ディープテックなどの領域でのスタートップ企業との連携強化に向けて、ベンチャーキャピタルが設立するファンドなどへの出資を150億円規模に拡大。中長期では事業拡大や新事業参入などを視野に入れたM&Aも積極的に実行する。また、2030年度までに、産学官連携関連の研究開発に600億円を投資するという。

また、リスクマネジメントについては、サステナビリティ、AIなどの分野で新たに生じるリスクにも迅速に対応する「リスクに強い会社」の実現に向けて、全社横断のリスク管理を推進。生成AIの社内活用を検討するAI戦略プロジェクトグループを社長直下の組織として設置。また、誰でも声をあげやすい「言える化」風土の醸成を進めるという。

三菱電機では、2021年に品質に関する不適切行為が発生して以降、品質風土、組織風土、ガバナンス改革の3つの改革に取り組んでおり、取締役会傘下の「3つの改革モニタリング委員会」による社外専門家の視点も取り入れて、改革の進捗状況のモニタリングを継続していることを説明した。「そもそも現場が品質不正行為を起こす必要がない仕組みと環境の実現に向けて、マネジメント環境の整備、品質基本理念の改訂を行った。また、組織風土改革の指針である『骨太の方針』に基づき、階層や職種、拠点別などの活動を強化している。私自身もこれまでに100以上のタウンホールミーティングを実施し、現場の意見を聞いている。さらに、経営の機動性と透明性の一層の向上を図る。持続的なに企業価値の向上に取り組む」と述べた。
(大河原克行)



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