通信のIIJが千葉県白井市に農場を持つ理由とは - スマート農業実証実験の説明会を開催
マイナビニュース / 2024年6月12日 22時49分
そこへIIJは“自営基地局型”という、複数のセンサーからいったん基地局にデータを送り、クラウドへの送信をその基地局からのみ行う構成を提案しています。センサーと基地局の間は無料の通信を利用するので、センサーが増えても(基地局との通信が可能な範囲であれば)通信コストは変わりません。センサーを増設すれば設置費用が必要なのはしかたありませんが、通信コストの増加を抑えられるというだけでも十分メリットは大きいようです。
そして「多用途活用」というのは、スマート農業用途のものだけでなく、防災や鳥獣害対策など、農村における様々なニーズに対応できるよう多種多様なセンサー/危機を活用することを意味します。従来型のスマート農業導入では、単一用途のセンサー/機器を農業者が個別に導入し、それぞれに通信手段を用意しなければなりませんでしたが、IIJが推奨する仕組みでは1台の基地局を通じてさまざまな機器が通信を行えるため、前述のとおり多様な機器を導入する際の負担が軽減されるわけです。
そうやって収集したデータも、活用しなければ意味がありません。そのデータ活用にあたっても、機器を個別に導入していたのではそれぞれのデータをもとに農業従事者が過去のデータと照らし合わせるなどして判断するほかありませんが、IIJはその分析基盤も提供し、行動判断もサポートすることを想定しています。こういった仕組みは、温暖化や線状降水帯の頻発などによって過去の経験では適切な判断が難しい局面の増えた現代の農業にはとくに有用なものになるでしょう。
○白井市でのスマート農業促進や課題解決だけが狙いではない
こういったIIJのスマート農業への取り組みの中で、白井市における実証実験はどういった意味を持つのでしょうか。花屋氏は、この取り組みの主たる目的として、「白井市産業振興課様とともに白井市のスマート農業普及促進や課題解決を目指す」ということを挙げました。
しかし細かくみていくと、今回の取り組みにはたんなる白井市でのスマート農業促進というだけではない要素もあることがわかります。
IIJとしては、白井市という、東京から比較的近くてIIJ社員が足を運びやすい場所に実験圃場を設けることに意味があります。これは、IIJ社員が実際に農作業を経験することができ、説得力をもって課題解決にあたれるということにつながります。また、各種センサーの実証を行うに際して、現地に足を運んで状況を確認しながら、それを反映したデータを確認できるため、センサーの改良やシステムの構築がスムーズに進むというメリットがあります。
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