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大河原克行のNewsInsight 第297回 未踏領域へと踏み出す「プレイステーション」ビジネス、ふたりの新CEOが語った未来

マイナビニュース / 2024年6月13日 23時39分

また、徹底した作品、ポートフォリオ管理を行っていることに言及。「どのタイトルを制作するかを適切に判断し、計画通りに、予算内に、期待される品質で、ゲームタイトルがリリースできるように管理している。さらに、開発プロセスの短縮を支援するために、機械学習などの新技術も導入している。高品質で愛されるゲーム体験を継続的に提供していく」と語った。

年末商戦期には、高い収益性があるテントポールシングルプレイヤータイトルを1本以上発売することも明らかにした。

「ここで得た収益をライブサービスゲームなどの新たな成長機会に投資できる。才能あるチームを発掘し、ポートフォリオの一部を実験的なタイトルにあて、新しいプレイヤー層や新たなジャンルを開拓していくことになる。ただし、これらの実験的な取り組みは、タイトル数や規模、予算には制限を設けて行うことになる」と述べた。

ゲーム制作の現場では、最新の技術を取り入れていることにも触れた。

ハルスト氏は、「AIと機械学習に関する研究と実験は、重要なテーマとして取り組んでおり、効果的な導入ができると考えている。すでに、アセット制作の効率化、コーディングの高速化、翻訳やローカライズプロセスの最適化などでAIを活用している。AIがゲームの未来において大きな可能性を秘めているのは間違いない。新たな技術の導入と実装において、ゲーム業界を牽引していく」と述べた。ここでは、責任あるAIとして、倫理的アプローチを徹底していることも明らかにした。

一方、西野氏も、プレイステーション事業全体で、最新技術の導入を積極化していることに言及。「生産の自動化を含んだハードウェアエンジニアリングに加えて、チップセットからクラウドサービスに至るまで、様々なゲームに関する技術を活用し、技術革新を継続している。ハイブリッドクラウドソリューションなど、ネットワークサービスを活用する機会の拡大、業務効率の向上、プレイヤーの体験向上という観点で、AI関連技術に可能性を見出している。エンジニアリング能力の向上が、プレイステーション体験を支えている」と語った。
「Play」の将来、プレイステーションは歴代最高を更新できるか

ゲーム&ネットワークサービス分野の2023年度の売上高は前年比17%増の4兆2677億円となり、営業利益は16%増の2902億円となった。また、2024年度は売上高が前年比2%減の4兆2000億円、営業利益は7%増の3100億円を見込んでいる。2024年度の減収はハードウェアの販売台数の減少を織り込んでいる。PS5の2024年度の販売目標は1800万台であり、2023年度実績の2080万台から縮小する計画だ。

西野氏は、「PS5では、新規顧客の獲得に留まらず、PS4からの移行にも注力する。1800万台の目標はインストールベースの拡大と、収益性のバランスを意識した計画である。サプライチェーン全体でのコストの最適化、適切な水準の販売プロモーションを実施していく」と語った。

また、西野氏は、「プラットフォーム事業の効率化とPlayStation Studios事業の持続的な成長を推進し、勢いを加速する。『遊び(Play)』の将来に向けて、強力なポジションを確立するために段階的な投資を進めていく。プレイヤー、クリエイター、パートナーを刺激しつづけ、想像力を駆使して様々な可能性を広げていく」と述べた。
(大河原克行)



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