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推し活3.0 第7回 「応援したのに裏切られた...」とファンが幻滅する、Web3施策の構造的問題

マイナビニュース / 2024年6月24日 9時0分

画像提供:マイナビニュース

企業が取り組むWeb3施策のなかでも特に大きな注目を集めていたスターバックスの「Odyssey」が2024年3月末でサービス終了となりました。今回は、ファンリレーション向上を目的としたWeb3施策を成功に導くための鍵を、他の事例とともに考察していきます。
発売後の方針転換で批判を浴びたポルシェ

世界的車メーカーのポルシェは、2023年1月に名車「ポルシェ911」のNFT(非代替性トークン)を車名にちなんで0.911ETH(発売当時の相場で1490ドル)で7500個発売しました。

しかし期待されたような初速は得られず、発売直後には二次流通の価格が当初の販売価格を50ドルほど下回るケースも発生してしまいました。

これに対しポルシェは、発売開始2日後に販売を一時中止。その後、当初予定していたNFT供給量を減らし、さらに新たな購入特典を公表するというテコ入れを行いました。

結果、販売再開されたNFTの二次流通価格は上昇し、一定の面目躍如とはなりましたが、「売れない」というニュースが大々的に喧伝されてしまったことや、発売当初のファンとの約束を反故にしてしまったことは、ハイブランドとして最も大切にしなければならないはずの「ファンとの信頼関係」に少なからずマイナスの影響を与えてしまいました。
「特典を予定している」ままサービス終了したスターバックス

冒頭でも触れたように、2022年9月にWeb3時代の新しいファンリレーション施策として鳴り物入りでスタートしたスターバックスのWeb3施策「Odyssey」もメディア上では当初、とても好評かのように伝えられていましたが、2024年3月末をもってサービスを終了することになりました。

Odysseyは「Starbacks Rewards」という既存のポイントプログラムの会員を対象(米国のみ)としたサービスで、従来のポイントを軸とした経済合理性に基づく会員基盤の上に、情緒的なつながりをもったさらにニッチなファンコミュニティを作るという設計は、Web3の文脈上模範的かつ画期的なものと評価されるべきものでした。

ビッグブランドが実施したということもあいまって、当然大きな注目を集めましたが、結果的にはリリース当初にインセンティブとして発表されていた「ユニークな商品や体験、アーティストとのコラボレーションへのアクセス、限定イベントへの招待」といった約束していたはずの特典の大部分が履行されることなく、コアファンとのつながりを強めるための施策は、結果的にそれを毀損する形で終了を迎えることとなりました。
IEOやファントークンも陥る、Web3施策によるブランド毀損

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