エンタープライズIT新潮流 第29回 自分自身のブランドを作りキャリア開発を優位に進める
マイナビニュース / 2024年6月24日 13時0分
セルフブランディングのすすめ
自分自身のブランド価値を高めることを「セルフブランディング」と呼びます。これは、皆さんの仕事においても価値があることですし、キャリア開発においても目標を定めやすくなります。筆者がこの連載をしていることについて、知人が「セルフブランディングしているね」と言ってくれることもあります。筆者の例に漏れず、少なくともセルフブランディングはやっておいてまったく損はないです。ただし、自分のブランドをどう作るかを意識し、普段からスキルアップすることも必要になります。
そもそも、ブランドとはどういう意味があるのでしょうか?ブランドの語源については諸説あるようですが、古代ケルト語の牛の焼き印である「brandor」からきていると言われています。これは、燃えるというBurnと同じ由来です。多くの牛の中から、特定の牛を識別するということです。つまり、違いを作るということです。
ビジネスの世界において、これは差別化と言われます。差別化とは、同じカテゴリーに分類される他のものと比較して、"大きな違い"を作り出すことです。ブランドはその差別化の下で、一貫したコミュニケーションをすることが大事です。ビジネスのブランドにおいては、社員からの発信、PR、マーケティングなどがコミュニケーションチャネルです。
このように複数のコミュニケーションチャネルが存在するので、一貫性が重要であり、メッセージやブランドイメージの統一を行います。そのメッセージのもとになるのが、差別化なのです。
差別化を生み出す「コア要素」と「拡張要素」
ビジネスにおいても個人においても、差別化は大変厄介な課題です。筆者は長年マーケティングを担当しており、営業などの社員から「もっと宣伝を増やしてブランド認知を上げてほしい」というリクエストを頻繁に受けます。
ここには、2つの問題があります。まず、そもそも差別化がないと宣伝しても仕方ないがないということ。そして、今時ブランドは宣伝では作れないということです。後者は後で詳しく説明します。ブランドに限らず、マーケティングプロモーションや営業活動において課題を詳細に分析すると、結局は事業戦略や製品戦略で差別化が作れていないというルートコーズ(根本原因)にたどり着く場合が本当に多いです。すべての起点が差別化と言っても過言ではありません。
個人においても同じで、上流である自分自身の差別化をどう作るかが、セルフブランディングの出発点となります。では、どのように差別化を作るのでしょうか?自然に出来上がるのでしょうか?
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