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「SVGMap」とは? ハイパーレイヤリングを使った災害情報表示システム

マイナビニュース / 2024年6月21日 20時13分

この、URLを使ったハイパーテキストにインスパイヤーされて考えたのがハイパーレイヤリングです。ハイパーテキストはクリックすると別のサイトに飛びます。一方、ハイパーレイヤリングはクリックすると、1つの画面にリンク先のコンテンツ(地図のコンテンツ)が重なってきます。遷移するのではなく追加されていくイメージがハイパーレイヤリングです。文章の情報を重ねても意味がわからなくなりますが、地図はレイヤリングができるので、重ねても正しい位置に意味のある重ね合わせができます。これを全く別のサイトのコンテンツに対して重ねていくのがハイパーレイヤリングです。このアーキテクチャは、マッシュアップ方式が広く定着し、それでよいと今まで忘れ去られていた技術です。それが、最近注目されているようです。

ハイパーテキストやハイパーレイヤリングの重要なポイントは、集中管理による優越的地位が発生することがない点だと思います。その結果として、マッシュアップサーバ方式のデメリットが、すべて解消されてしまいます。サーバがないのでコストもかからない、単一障害点も集中サーバがないのでありません。優越的地位も基本的に存在しません。優越的地位に魅力を感じ集まってくるプラットフォーマもいないので、サイロ化も発生しません。それにも関わらず、インターネット上の様々な発信者の情報を、一元的に利用できること、すなわち相互可用性が実現できているわけです。

実用へのあゆみ

1996年の研究開発開始の後、社内のイントラネットでは2005年くらいから実用化が行われていました。そのときは、防災というよりインフラの監視・運用に使われていました。そこに2011年の東日本大震災が発生、ネットワーク運用にとって災害対策は重要であるとの認知が社内に広がりました。前述のようにいろいろなサイトを使っても、よい情報が集められない現実もわかってきました。そこで、ハイパーレイヤリングアーキテクチャをベースに地図上での情報の一元化をチャレンジすることになりました。それから13年経ち、現状の仕組みとなりました。(図1の一番下)

一方、近年、災害時にドローンの活用が注目されています。ここでは被災状況を加味したドローンの運用が求められます。そしてドローンの運行管理にも地図は欠かせません。
図1の下から2番目の説明は、KDDIスマートドローン社でのSVGMapの実用例です。これは災害専用ではありませんが、ドローンのカメラの情報や制御情報を4GLTEで通信してオペレータの目で見えない場所、有視界外でドローンを飛行するために用意されたシステムです。

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