東奔西走キャッシュレス 第54回 QRコード決済も使えてキャッシュレス100%達成のシンガポール
マイナビニュース / 2024年6月21日 21時54分
機会があるたびに海外のキャッシュレス事情をご紹介してきた本連載。今回はシンガポールを取り上げます。アジア初開催の小売関連展示会「NRF Asia Pacific 2024」の開催に合わせて訪れた6月のシンガポールでは、個人的な完全キャッシュレスを達成できました。
○シンガポールはクレジットカード利用が中心
シンガポールは東京23区よりも少し大きい約720平方kmという小さな都市国家です。人口は2022年時点で約564万人。歴史的にはイギリスの植民地からマレーシアの一部となり、1965年に独立して国家として成立しています。独自通貨のシンガポールドルが発行されたのは1967年と、新しい国です。
そんなシンガポールですが、キャッシュレス決済比率が9割を超えているという調査結果もあるくらい、多くの決済がキャッシュレスになっているようです。実際、ほとんどの店でクレジットカードを受け付けていて、少なくともVisaとMastercardという国際ブランドには対応しているため、旅行者にとっても優しい国になっています。
まず入国後、最初の空港からの移動もクレジットカードが使えます。今回、チャンギ国際空港からはEast-West Lineで1駅の「Expo」駅からDowntown Lineに乗り換えてホテルに移動するルートでしたが、地下鉄(MRT)ではクレジットカードのタッチ決済での乗車が可能になっており、手持ちのクレジットカードでそのまま乗車できました。
鉄道の場合は、入場時の改札にタッチして退場時に再び改札にタッチする仕組みで、距離によって値段が変わる仕組みです。欧州のような信用乗車やゾーン制でもなく、日本と同様の仕組みです。
バスは乗車時と降車時にそれぞれリーダーにタッチする、いわゆる2タッチタイプ。これも乗車距離によって値段が変わるためのようです。
もともとシンガポールにはプリペイド型のICカード「EZ-Linkカード」などがあります。1~3日間は無制限で公共交通期間に乗降できる旅行者用カードもあり、一部のMRT駅で購入できるようです。
ただし、それらをあらためて購入しなければならないので手間はかかります。そのままクレジットカードで乗れるのでそのほうが手軽ですが、こちらには旅行者用の割引などはないようです。狭い国土とは言え、毎日公共交通機関で頻繁に移動するのであれば、EZ-Linkカードの購入を検討した方がいいかもしれません。
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