レッドハット、次世代AI戦略としてLAB方式のAI育成プラットフォームを提供 - 2024年度 事業戦略説明会
マイナビニュース / 2024年6月24日 9時36分
LLMモデルの精度は学習用データに依存しており、企業サイドにとって企業データを積極的に学習させることでより効果的なAI運用が可能になる。この自社専用のAIを育成していく方法について、同氏はRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成。外部ソースより取得した情報で生成AIモデルの精度向上を図る手法)とFine-tuning(学習済みモデルを別のデータセットで再トレーニングする手法)の2つの方法を紹介した北山氏。それぞれメリットとデメリットがある中、レッドハットはIBMと共同で開発した手法「LAB(Large-scale Alignment for chatBots)」を提案する。
「LAB」は、分類法に基づく合成データ生成プロセスと多段階の調整フレームワークにより、少量でも効果的に学習データを取り込むことが可能なAI学習手法でLLMトレーニングの命令調整フェーズにおけるスケーラビリティの課題を克服するために設計された。その手法はオープンソースの開発スタイルに似ており、タクソノミー(taxonomy:段階構造に分類整理されたデータ仕様)に基づいた新データ追加のプルリクエストを受けて、レビュアーがチェック用データを生成し新データのレビューを実行、認証されたデータをシステムが本データへと統合していく。「LAB」は、同社が支持する「AIの民主化」にも通ずるものがあり、この手法をベースに今後AIサービスを展開していくという。
「LAB」の手法を現実化するツールとして同社は、IBM Research(IBM基礎研究所)の大規模言語モデルでオープンソースの「Granite」(https://github.com/ibm-granite)と「Granite」を育成するツールとして、「LAB」によるデータ追加が可能な「InstructLab」の2つを提供する。
これらのツールを運用する環境として「Red Hat Enterprise Linux AI(以下略、RHEL AI)」と「Red Hat OpenShift AI」の2つのプラットフォームを提供。RHEL AIは、LLMトレーニングデータセット「Granite family models」やデータ調整と開発を行うツール群「InstructLab model alignment tools」、ランタイムライブラリとハードウェア最適化を含む起動OSイメージをパッケージ化した「Optimized bootable model runtime instances」などを統合し、オープンソース「Granite」育成に最適な環境を提供する。
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