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ジロ・デ・イタリアを圧勝した T・ポガチャル。駆るような走りを支えた『COLNAGO ( コルナゴ ) V4Rs Disc』

マイナビニュース / 2024年6月29日 7時30分

価格も安くはない。フレームセットで 94万6000円、シマノ・デュラエースがフルアッセンブルされた完成車は 180万4000円。
コルナゴも数多くが売れるとは考えていないだろう。“限られた人しか手に入れられない”ことも V4Rs の価値の一部だし、そもそもコルナゴというブランドは高価だが、高性能であることをセールスポイントにしてきた。ライバルとの比較で考えても、そう高くはない。さらに言えば、アメリカのショップ価格 (1ドル160円換算)と比較すると、完成車で40万円以上も安い。
○■走り出せば、ライダーを虜にする

歴代のコルナゴのトップチューブには創業者エルネストのサインが施されてきた。
しかし、V4RsやC68 には彼のサインがない。コルナゴは創業家の手を離れて、オイルマネーの傘下にあるのだ。サインを失った代わりに、豊富な資金を手に入れた。その恩恵によってフレーム開発だけでなく、マーケティング戦略も一気に進化した。  

名車と呼ばれるレーシングバイクには輝かしい成績が欠かせない。その点でもタディ・ポガチャルとUAEチームが長期契約を結んだこともあり、この先しばらくはコルナゴの成功も約束されたも同然である。  

さらにアーティストや著名デザイナーとのコラボレーション、非代替性トークン(NFT)作品としての販売など、ライバルと比較しても先進的な取り組みを行っている。  

誤解を怖れずに言えば、10年前のコルナゴは歴史と伝統を持ち、魅力的なブランドであるが、自転車の性能は最先端と言えなかった。そうした雌伏の時期を思うと、V4Rsの性能は信じられないほどだ。 
その走りをひと言でいうと、軽い。手に持った感じは、プレミアムバイクとしては標準的な車重である。
なのに、走り出すとペダルが下に吸い込まれるように加速する。あまりオーバーな言い方はしたくないが、思わず止まってギア比を確認してしまうほどなのだ。体感的にはフロントギヤの歯数が2つほど軽く感じる。この差がいかに大きいかは、サイクリストならわかるだろう。  

路面コンディションがつかみやすいのも、大きな魅力だ。雨の日のコーナーリングなど、価格を考えたら恐る恐る乗らざるを得ないシチュエーションでも、しっかりと攻めて走れる。ピレリタイヤとの相性が良かったのもあるだろうが、雨の日のライドまで楽しくなる。

振動のいなし方も、実に見事だ。昨今はワイドタイヤを履いているので、少々路面が荒れていても気にしないが、同時にタイヤとホイールの性能が支配的で、フレームの良さを体感しにくい。V4Rsは路面から受けた振動をすべて吸収するのではなく、必要最低限を伝えつつ、スパッと振動が収まる。ワイドタイヤの快適性の高さは歓迎すべきトレンドであるが、人車一体で走れるフラット感はライバルよりも上のレベルにある。  

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