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知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第171回 コンシューマー向けから撤退した京セラのスマートフォン新機種、何が変わったのか

マイナビニュース / 2024年6月25日 16時4分

そこで医療現場など、高耐久を強く求めない現場での活用に向けたデバイスとして、京セラが2024年6月18日に発表したのがスマートフォンの「DIGNO SX4」と、タブレットタイプの「DIGNO Tab2 5G」である。これらは「DIGNO」というブランドを冠しているように、従来コンシューマー向けに提供されていた京セラ製のデバイスに近い耐衝撃性や、ハンドソープで洗えるなどの特徴を備えているのだが、販売先が法人ということもあり、コンシューマー向けとは異なる設計がなされている部分が多い。

○コンシューマー向けとは全く異なるニーズと設計

その1つがNFCのアンテナの配置である。一般的なスマートフォンの多くは、NFCのアンテナが本体の中央付近に配置されている傾向にあるが、DIGNO SX4はいずれも本体上部に配置されている。またDIGNO Tab2 5Gは、ディスプレイの前面という、コンシューマー向けのタブレットでは考えにくい位置にNFCのアンテナを配置している。

その理由は「マイナ保険証」にあるという。2023年4月から医療機関でのマイナ保険証対応が義務化されており、2024年12月には紙の健康保険証の発行が終了するなど、医療の現場でマイナ保険証への対応が必要不可欠となっている。それゆえ医療機関の窓口だけでなく、訪問医療の際にも患者のマイナンバーカードを読み取る必要が出てきている。

新機種のNFCアンテナの配置は、そうした医療現場のニーズに応える狙いが大きい。DIGNO Tab2 5Gは患者が受け付けをしながらマイナンバーカードなどを読み取るため、DIGNO SX4はスマートフォンで場所を選ぶことなく、患者が提示するマイナンバーカードを読み取りやすくするために、コンシューマー向けとは異なる配置がなされているのだそうだ。

そしてもう1つ、コンシューマー向けとは異なる設計がなされているのが、長期間の利用に向けた部分だ。法人向けのデバイスはコンシューマー向けよりも長期間使われるため、DIGNO SX4では、京セラが従来力を入れてきた高耐久性だけにとどまらない、故障を生じさせにくい仕組みにも力が入れられている。

具体的にはバッテリーの安全性を高めるため、難燃性の高いインナーケースでバッテリーを保護し、衝撃などによるバッテリーの短絡を防ぐ仕組みが備わっているという。他にも端末の落下を検出し、ダメージの累積が機能に及ぼす影響を予測。自己診断アプリで故障を把握するなど、予防保全にも力が入れられているとのことだ。

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