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関大などが共同開発した超小型人工衛星「DENDEN-01」が完成 - 今秋打ち上げへ

マイナビニュース / 2024年6月26日 11時37分

画像提供:マイナビニュース

関西大学(関大)、福井大学、名城大学、アークエッジ・スペースは、共同研究グループが開発する1Uサイズ(10cm×10cm×10cm)の超小型人工衛星「DENDEN-01」が完成し、6月4日に宇宙航空研究開発機構(JAXA) 筑波宇宙センターへの引き渡しが完了したことを発表した。

○キューブサットの高性能化を目指した共同開発が2022年に始動

昨今、地球観測や通信などさまざまな分野で注目が集まる人工衛星において、特に100kg未満のものは“超小型衛星”と呼ばれ、その中でも1辺が10cmの立方体を基本構造として規格化されたキューブサット(CubeSat)は、容易に入手可能なキット化されたコンポーネントの普及により開発が迅速に進められる点や、コスト効率が高い点などを背景に、その打ち上げ数が年々増加している。また従来は教育や技術実証を目的とした開発がほとんどだったのに対し、近年では民間による開発も活発に行われ、リモートセンシングや衛星通信などの宇宙ビジネスにおける重要な役割を果たすようになっている。

このように用途の幅広さや利便性から広く普及しつつあるキューブサットだが、さらなる技術的進化の要求も集まっており、特に商業利用の拡大に伴って、ミッションの複雑化や要求性能の向上が不可欠となる一方で、同時にキューブサット自体の高機能化および信頼性向上も求められている。

そのため衛星に搭載される各機器に対しては、高品質かつ安定した電力の供給技術が必要とされるが、キューブサットは電力や質量、サイズなどの制限がある上、熱容量も小さいため、宇宙空間特有の急激な温度変化の影響を受けやすい。実際に地球周回軌道で運用されているキューブサットの電源温度を解析したところ、比較的低温で推移し、-15℃に到達するケースも見られたとのこと。こうした低温環境では電源性能が急激に低下するため、衛星におけるさまざまなミッションの制限や衛星自体の運用に重大なリスクが生じるとする。

こうした課題に対して、関大と名城大は2020年からキューブサット搭載電源の温度管理手法を共同で検討。その中で固-固相転移型潜熱蓄熱材(SSPCM)の活用可能性を検討してきたという。このSSPCMは、熱エネルギーを蓄えるために化学変化を利用する固形の蓄熱材で、温度が変化すると、物質がある結晶構造の固体から別の結晶構造の固体へと相変化する性質をもつことから、液漏れや気化の危険性を排除できるとのことだ。

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